生命保険の医療保障の多くは、入院時に給付金が支払われます。入院1日あたり○○円という保障が一般的です。
この入院保障は、検査入院のときでも給付金はおりるのでしょうか。ファイナンシャルプランナーがくわしく解説していきます。
入院給付金が支払われるのは治療目的の入院
生命保険の入院給付金がどのようなときに支払い対象となるのかは、契約時に受け取った約款に書かれています。
保険会社によって多少の文言の違いはあるでしょうが、「治療を目的とする入院」に対して給付金を支払うと書かれているはずです。
検査入院は入院給付金がおりるケースとおりないケースがある
では、検査入院は治療目的の入院に該当するのでしょうか。
実は、検査入院には治療目的のものと治療目的ではないものがあります。つまり、検査入院でも入院給付金がおりるケースとおりないケースがあるのです。
入院給付金がおりる検査入院とおりない検査入院には、どのような違いがあるのでしょうか。
入院給付金が支払われる検査入院
入院給付金が支払われるのは、医師の指示で行う検査入院です。
たとえば、身体に何かしらの症状や数値の異常があり、その原因を見つけるために検査入院をするような場合が当てはまります。このような検査は治療の一環ですので、入院給付金の支払い対象です。
入院給付金が支払われない検査入院
人間ドックや健康診断のように、医師の指示ではなく自ら自発的に行う検査入院だと、入院給付金は支払われません。
人間ドックや健康診断は、治療目的とは見なされないためです。
入院給付金の支払い対象とならない他の入院
人間ドックや健康診断での検査入院以外にも、入院給付金が支払われない入院はあります。次の入院は、入院給付金の支払い対象外です。
正常分娩のための入院
なお、正常分娩での入院は対象外ですが、帝王切開や切迫早産などの理由で入院した場合は支払い対象です。
自分の検査入院が対象かどうかを確認する方法
自分がした検査入院が入院給付金の対象かどうか分からないときは、どのようにしたらいいのでしょうか。
生命保険の担当者に確認する
自分の生命保険の担当者や担当代理店がいるのなら、その人に給付対象かどうかを尋ねることができます。その場ですぐに分からなかったとしても、調べて回答してくれるはずです。
生命保険のコールセンターで確認する
生命保険のコールセンターに電話をすれば、対象になるかどうかを調べてすぐに回答してくれます。
自分の生命保険の担当者がいたとしても、コールセンターに電話をすることは全く問題ありません。
入院給付金の請求方法
検査入院が給付金の支払い対象だった時には、それを請求する必要があります。請求方法には次のようなものがあります。
書類を取り寄せて請求する
従来からある書類での請求です。保険会社や担当者に連絡して給付書類を取り寄せ、必要書類を揃えてから、保険会社に提出して請求します。
入院給付金の請求に必要な書類は診断書と請求書ですが、公的証明書のコピーなどが求められるケースもあります。
診断書は他の保険会社や共済発行の診断書のコピーでも受け付けてもらえるケースや、診断書の代わりに申告書と医療機関発行の領収書や診療明細書のコピーで請求できるケースもあります。
WEBで請求する
最近ではほとんどの保険会社が、WEB上で入院給付金を請求できるようにしています。保険会社のホームページからだけでなく、アプリやLINEを使って請求できるところもあります。
WEBで請求する場合は、必要事項を入力し、医療機関発行の領収書や診療明細書の写真を撮ってアップロードするのが一般的です。
WEBでの請求情報はすぐに保険会社に送られるため、不備さえなければ書類での提出よりも給付金の支払いは早くなります。
担当者や代理店に教えてもらいながら請求する
生命保険の担当者や代理店がいるのなら、会って教えてもらいながら請求することが可能です。自宅などに来てもらったり、自分が窓口に行ったりすることができます。
書類だけ送られてきてもどこに何を記入すればいいのか分からない人や、WEB請求に不安を覚える人は、対面で教えてもらいながら給付請求するのがおすすめです。
給付金の請求は3年以内に!
生命保険の保険金や給付金を請求できるのは、支払事由が発生してから3年以内と決められています。3年を過ぎてしまうと時効となり、請求する権利がなくなってしまいます。給付金の請求は3年以内に行いましょう。
ちなみに時効の3年を過ぎてしまうと、一切請求できなくなるわけではなく、保険会社によっては時効を過ぎた後も必要書類が揃えば受け付けてくれるところもあります。
もし3年以上たって時効を迎えた未請求の給付金があったなら、ダメもとで保険会社に問い合わせてみるといいでしょう。
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