うまく利用すれば、自己負担2,000円で多くの特産品などがもらえるふるさと納税。
実質的には節税に近い効果があり、とてもお得な制度です。
このふるさと納税のルールが2023年10月に改悪されてしまいます。
10月以降だと、もらえる返礼品の質は下がり、返礼品の種類も減ってしまう可能性があるため、9月30日までに寄付をするのがおすすめです。
ふるさと納税のルール変更の内容と、9月中のふるさと納税の注意点について解説していきます。
2023年10月以降のふるさと納税のルール変更の内容
ふるさと納税は2008年に開始された納税制度です。
わりと新しい制度なので、ちょこちょこ見直しが行われ、ルールが変更されることがあります。
2023年10月にも、ふるさと納税のルールが変更されます。
今回のおもな改正は次の2点です。
・地場産品基準の改正
募集適正基準や地場産品基準と言われてもピンとこないと思いますので、1つずつくわしく見ていきましょう
ふるさと納税の募集適正基準の改正とは

2023年10月のふるさと納税の募集適正基準の改正とは、従来からあった5割ルールの厳格化のことです。
ふるさと納税の募集適正基準は、返礼品による競争が過熱しすぎないように設けられたものです。
この募集適正基準では、返礼品の調達費用は寄付額の3割以下、返礼品を含めた経費は寄付額の5割以下というルールが定められています。
10月の変更でも3割以下や5割以下という基準に変更はないのですが、経費に含まれる費用に変更があります。
これまでは経費に含まれていなかった、いわゆる隠れ経費(寄付金受領証の発行費用やワンストップ特例制度の事務費用など)も10月以降は経費扱いされることになります。
ふるさと納税の地場産品基準の改正とは
ふるさと納税には地場産品基準というものがあり、返礼品は寄付された自治体の地場産品であることが必要です。
寄付された自治体とは全く関係のないものを、ふるさと納税の返礼品にすることはできません。
これまでは他の自治体の産品でも、自治体内で加工や製造された食品であれば地場産品として扱われていました。
しかし、10月以降の新ルールでは、精米と熟成肉は原材料も同一都道府県産のものでないと地場産品として認められなくなります。
2023年10月の改正で、ふるさと納税の地場産品基準も厳格化されるのです。
10月のルール変更で具体的にどのようなことが起こる?

10月のルール変更で募集適正基準と地場産品基準が厳格化されることにより、ふるさと納税ではどのような変化が起こるのでしょうか。
募集適正基準の厳格化と地場産品基準の厳格化で予想されることを考えていきます。
募集適正基準の厳格化で起こること
募集適正基準の厳格化で、これまでの隠れ経費も含めた5割ルールが適用されると、返礼品にかけられる費用が少なくなります。
その結果として、次のようなことが起こると考えられます。
・返礼品の量の減少
・返礼品に対する寄付金額の値上げ
返礼品に使える金額が減ってしまうので、返礼品の質を下げるか、返礼品の量を下げるか、寄付金額を上げるか、もしくはこれらを組み合わせる可能性があります。
これまで10㎏もらえたお米が8㎏に減ったり、1万円だった寄付金額が1.2万円に上がったりするのです。
どちらにしても、返礼品を楽しみに寄付をする方からすれば、嬉しくない変化ばかりです。
地場産品基準の厳格化で起こること
地場産品基準の厳格化によって、10月以降は地場産品として認められなくなる返礼品が出てくるため、姿を消す返礼品も出てくるはずです。
自治体内で精米した同一都道府県外産のお米、自治体内で熟成させた同一都道府県外の肉は、9月末日で返礼品から除外されてしまいます。
10月のルール改悪対策
10月のルール改悪への対策はただ1つ、9月中にふるさと納税の寄付をすることにつきます。
9月30日までに寄付を行えば、これまでの基準で返礼品を受け取ることができます。
今は物価もどんどん上がっているので、それも踏まえて年末まで待たずに9月中にふるさと納税をした方がお得です。
9月30日までのふるさと納税の注意点

9月30日までにふるさと納税を行うのなら、注意しなければならない点があります。
ふるさと納税の控除上限額は、1年間の所得額に応じて決められます。
個人事業主の人はもちろん、給与所得者の多くも12月のボーナスや給料の額が確定しないと、1年間の所得がはっきりしません。
そのため、1年間の所得が確定する12月に、ふるさと納税が一番多く行われます。
9月中にふるさと納税を行うとなると、1年間の所得見込みで控除上限額を計算することになりますが、場合によっては見込んだほどの所得を得られず、控除上限額が低くなるケースも考えられます。
控除上限額を超えた寄付金は単純に自己負担となるので、ふるさと納税としての恩恵を受けることはできません。
ですので、9月中にふるさと納税を行う際には、控除上限額を超えないようにしましょう。
9月中の寄付では控除上限額ギリギリまで欲張らずに、確実に得られる所得分までにしておくのがおすすめです。
あまった控除枠は12月にふるさと納税をすればOKです。
コメント