まとまったお金が必要になったとき、生命保険の解約払戻金を当てにしたくなるかもしれません。
しかし、生命保険を解約してしまえば保障はなくなってしまいます。
「お金が必要だけど生命保険を解約したくない」
そんな時に利用できるのが契約者貸付制度です。
この記事では、契約者貸付制度についてくわしく解説していきます。
契約者貸付制度とは
契約者貸付制度は、生命保険の解約払戻金の一定範囲内で、保険会社からお金を借りることができる制度です。
借りられる金額の上限は、保険会社や保険の種類によっても違うのですが、解約払戻金の7割～9割ぐらいが一般的です。
契約者貸付は解約払戻金が担保となるため、貯蓄型である終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などで利用できます。
解約払戻金がない掛け捨ての生命保険では、契約者貸付を利用できません。
契約者貸付制度の利用方法
契約者貸付制度を利用するには、手続きが必要です。
手続き方法も保険会社によって様々ですが、対面、郵送、インターネット、電話、提携ATMなどの方法があります。
融資を受けるには3営業日前後かかることが多いのですが、インターネットやATM、窓口での手続きであれば、最短即日で融資を受けられる保険会社もあります。
借り入れたお金は、振込、インターネット、窓口、提携ATM、コンビニ払いなどの方法で返済します。
契約者貸付制度のメリット
審査が不要
通常、お金を借りるときには審査を受ける必要があります。
しかし、契約者貸付では保険会社にある解約払戻金が担保となっているため、審査が不要です。
他の借り入れやローンが多くても、信用情報に傷がついていても問題ありません。
収入を証明する源泉徴収票や確定申告書の提出も、もちろん必要ありません。
保険契約を継続できる
契約者貸付で融資を受けている間も、保険契約の保障は続いています。
解約しないで保障を継続したまま、解約払戻金の一定範囲を借りられるのは契約者貸付制度の大きなメリットです。
融資がスピーディー
契約者貸付には審査がないため、スピーディーに融資を受けることができます。
融資を受けるまでは3営業日前後かかりますが、手続き方法によっては即日融資を受けられるケースもあります。
特に国内の大手生命保険会社は、即日融資をできるところが多いです。
カードローンよりも低金利
契約者貸付で借りたお金には利息がかかりますが、カードローンやキャッシングよりも低金利です。
カードローンの利用を検討するなら、その前に生命保険の契約者貸付を検討した方がいいでしょう。
信用情報に影響がない
お金を借りた履歴は信用情報機関の履歴に残りますが、契約者貸付でお金を借りても信用情報機関の履歴には載りません。
契約者貸付で融資を受けているから、他のローンが通らないという心配もありません。
余裕を持った返済ができる
契約者貸付で借りたお金は返済するのですが、期限は設けられていません。
自分の懐具合を見ながら、余裕を持った返済が可能です。
契約者貸付制度のデメリット
利息がかかる
契約者貸付では、保険会社から融資を受けるため、利息がかかります。
利息の金利は、生命保険の予定利率を元に決められているため、契約した時期によって異なります。
予定利率の高いお宝保険は利息も高い
最近では1％を下回る生命保険の予定利率も、バブル期には6％近いものまでありました。
俗に言うお宝保険とは、予定利率が高い生命保険のことです。
本来、予定利率が高いことは契約者にとってのメリットですが、契約者貸付を利用するときにはデメリットとなってしまいます。
契約者貸付の利息は生命保険の予定利率を元に決められているため、お宝保険だと契約者貸付の利息も高くなってしまうのです。
契約者貸付を利用できる生命保険が複数ある場合には、予定利率が低い方の生命保険から融資してもらうといいでしょう。
返済しないと保険契約が失効してしまうことがある
契約者貸付で融資されるのは解約払戻金の7割～9割程度ですが、いつまでも返済しないでいると利息が複利で膨らんでいき、返済額が解約払戻金を超えてしまうケースがあります。
その場合は生命保険会社から通知があり、期日までに所定の金額を支払わないと保険契約が失効してしまいます。
利用できるのは契約者のみ
契約者のみが契約者貸付を利用することが可能です。
被保険者や受取人は、契約者貸付を利用することができません。
保険の担当者にバレる可能性がある
契約者貸付を利用すると、保険の担当者にも知られる可能性があります。
お金に困っていることを保険の担当者に知られたくない人は、契約者貸付を利用しないのが無難です。
お金に困ったら契約者貸付よりも保険の見直し
便利な制度である契約者貸付も、利息がかかるので出来るかぎり利用しなくて済むのが理想です。
利息のかかる契約者貸付を利用するということは、お金の工面に困っていることの証拠ですので、まずは家計を見直していくことが必要です。
特に生命保険は金額の大きな固定費ですので、見直したときに大きな効果が期待できます。
月の保険料を1万円節約できれば、1年間で12万円、10年間で120万円も節約したことになります。
生命保険の見直しは面倒くさくて後回しにしがちですが、一度行ってしまえば毎月自動で節約の効果が出るため、家計の見直しの中でもかなりおすすめです。
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