住宅を購入するとき、頭金を用意すれば住宅ローンの返済額を抑えることができます。頭金は物件の10%~20%というのが一般的な目安です。
それでは住宅ローンの借り換えをするときに、頭金は必要なのでしょうか。
住宅ローンの借り換えに頭金は必ずしも必要ではない
最近では、頭金なしのフルローンで住宅を購入する人も増えています。マイホーム購入時に頭金は絶対に必要というわけではありませんが、これは借り換えであっても同様です。
住宅ローンの借り換えに、頭金は必ずしも必要というわけではありません。
住宅ローン借り換え時に頭金を用意するメリット
住宅ローンの借り換えに頭金は必要ではありませんが、頭金があればいくつかのメリットもあります。
借り換える住宅ローンの借入額を抑えられる
用意した頭金を使うことで、借り換える住宅ローンの借入額を少なくすることができます。
住宅ローンの借入額を少なくできれば、毎月の返済額を減らしたり、返済期間を短縮させたりすることが可能です。もちろん、トータルで支払う利息も減らすことができます。
借り換えの審査に通りやすくなる
住宅ローンを借り換えるときにも、新規で住宅ローンを借りたときと同じように、金融機関から審査を受けます。借入額が少ない方が、審査をパスできる確率は上がります。
頭金を使って借入額を減らすことで、希望する住宅ローンに借り換えられる可能性はアップします。
住宅ローン借り換え時に頭金を使うデメリット
住宅ローンの借り換え時に頭金があって困ることはありませんが、頭金の使い方によってはデメリットも出てきます。
住宅ローン控除の恩恵を十分に受けられなくなることがある
住宅ローンを借り換えても、条件を満たせば引き続き住宅ローン控除を適用できますが、頭金で借入残高を減らした場合は控除額が減ってしまい、住宅ローン控除によるメリットを縮小させることになってしまいます。
また、住宅ローン控除の条件の1つは、返済期間が10年以上あることです。頭金を使って借入額を減らし、新しい住宅ローンの借入期間を10年未満にしてしまうと、住宅ローン控除そのものが適用できなくなり、減税できなくなります。
資金繰りに余裕がなくなる
頭金が多いほど住宅ローンの負担は軽減できますが、手持ち資金に余裕がなくなるのはとても危険です。
失業、病気、事故、災害のような想定外のことが起こったときにも対応できるように、ある程度の手持ち資金は確保しておきましょう。
最低でも半年分くらいの生活費は用意しておかないと、家計の資金繰りが苦しくなる可能性があります。
住宅ローンの借り換えにも諸費用分の頭金を用意するのが理想
住宅ローンの借り換え時にも、保証料や手数料などの諸費用はかかります。かかる諸費用は金融機関によって異なりますが、借入額の2%程度が目安です。借入額2,000万円だと諸費用は約40万円、借入額3,000万円だと諸費用は約60万円です。
借り換え時に諸費用分も含めて借りるオーバーローンもありますが、デメリットも多くおすすめできません。
借り換えでのオーバーローンについて、くわしくは下の記事を参照ください。
住宅ローン借り換え時の諸費用は、頭金(手持ち資金)で支払うのが理想です。諸費用を頭金で払えない状況であれば、住宅ローンの借り換えよりもまず先にすべきことが他にあるかもしれません。
住宅ローンの借り換えは大きな節約のチャンス
住宅ローンは返済期間が長く、金額も大きいので、わずかな金利差でも大きな差が出ます。
日本の長期金利はバブル崩壊以後、2016年のマイナス金利に至るまで、きれいに右肩下がりです。住宅ローン金利は長期金利の影響を大きく受けるため、長期金利と同様に下がり続けてきました。
今では金利が0.1%台の住宅ローンも存在します。だいぶ前に住宅ローンを組んだままの人は、借り換えることで総支払額を大幅に削減できる可能性を秘めています。
住宅ローンの借り換えで得をする人
住宅ローンの借り換えは節約として人気がありますが、誰でも得をするわけではありません。
住宅ローンの借り換えで節約メリットを享受できる人の条件は、次の3つが一般的です。
・住宅ローンの残高が1,000万円以上ある
・住宅ローンの返済期間が10年以上残っている
この3つの条件すべてに当てはまる人は、住宅ローンを借り換えることで大きく節約できるはずです。3つすべてには当てはまらない人でも、1つか2つの条件に当てはまるなら、住宅ローンの借り換えで節約できる可能性があります。
これまでに住宅ローンを見直してこなかった人は、借り換えるとどれくらい節約できるのかをシミュレーションしてみるのがおすすめです。うまくいけば、数百万円の節約になることもあります。
家計の節約を考えている人は、節約効果の高い住宅ローンの借り換えからまずは検討してみましょう。
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