住宅ローンの借り換えは家計の大きな節約になることがあります。
その一方で一時的にはまとまった出費にもなります。住宅ローンの借り換えには数十万円単位の諸費用が必要になるからです。
住宅購入時に新規で住宅ローンを組むときにはオーバーローンという方法もありますが、借り換え時にもオーバーローンを組むは可能なのでしょうか。
オーバーローンとは？
住宅ローンにおけるオーバーローンとは、物件価格以上の融資を受けることを指します。
2,500万円の物件を購入するのに、住宅ローンで2,600万円を借りるような状態です。住宅ローンの担保となる物件価格をオーバーする金額のローンを組むので、オーバーローンと呼ばれます。
住宅ローンの借り換えでオーバーローンを組むことも可能
住宅ローンの借り換えでも、オーバーローンを組むことは可能です。借り換え時に現在の住宅ローンの残債以上を、新たな住宅ローンとして融資してもらうことができるローンも存在します。
具体的には、住宅ローンの残債が1,500万円のときに、1,600万円の住宅ローンに借り換えることができるということです。
オーバーローンの使途は限定的
オーバーローンと言ってもあくまで住宅ローンですので、その使い道は住宅購入に関する費用に限ります。住宅ローンは住宅購入に関することに使うという条件のもと、他のローンよりも優遇され金利が低くなっています。住宅ローンの借り換えでオーバーローンが認められる費用としては、借り換えに関する諸費用とリフォーム費用が挙げられます。
逆に言うなら諸費用やリフォーム費用に関すること以外に使うのはアウトです。車の購入や海外旅行のように全く関係のない用途に使ってしまうと契約違反となり、最悪のケースでは銀行から訴えられたり、住宅ローンの一括返済を求められたりする可能性もあります。オーバーローンで認められていないことに融資されたお金を使うことは絶対にNGです。
また、オーバーローンの使途として認められる諸費用などの範囲は金融機関によっても異なるので、予定している使途がオーバーローンとして認められていることをしっかり確認しておくことが重要です。
住宅ローンをオーバーローンで借り換えるメリット
住宅ローンの借り換えをオーバーローンにすることにはメリットは何と言っても、余裕資金がなくても住宅ローンの借り換えができることです。
住宅ローンの借り換えには数十万円単位の諸費用が発生します。通常はこの諸費用分のまとまったお金がなければ、借り換えをあきらめることになりますが、オーバーローンにすることでまとまった余裕資金がなくても住宅ローンの借り換えをすることが可能になります。
住宅ローンを借り換えて節約をしたいけれど、まとまったお金がなくてあきらめていた人にとって、オーバーローンでの借り換えは救いの手とも言えます。
住宅ローンをオーバーローンで借り換えるデメリット
一方で、住宅ローンの借り換えをオーバーローンにすることにはデメリットもあります。
オーバーローンで多く借りた分にも利息は掛かる
オーバーローンで100万円多く借りたなら、その100万円に対しても利息は発生します。総支払額は多く借りた100万円だけでなく、数万円～数十万円の利息も加わります。
オーバーローンの審査は厳しく金利が高くなることも
銀行からすると、オーバーローンはアンダーローンに比べてリスクが高まります。もしもの際に融資したお金を回収しきれない可能性が高まるからです。
その分、オーバーローンの審査は通常よりも厳しくなります。場合によっては、通常の金利よりも高い金利を提示されることもあります。
オーバーローンの物件は売れないこともある
住宅ローンの借り換えで諸費用分なども借りるオーバーローンを選択すると、売却価格が住宅ローンの残債以下となって完済できない可能性が高くなります。住宅ローンを返済中の物件はローンを完済することを前提に売却することができますが、売却しても住宅ローンが残る状態では売ることができません。
融資してくれている銀行にある抵当権は、住宅ローンを完済しないと外してもらえないからです。抵当権がある物件も法律上は売りに出すことはできますが、そのような物件を買いたい人はまずいません。
任意売却や借り換えローンを利用する方法などもあるので絶対に売れないわけではありませんが、借り換えでオーバーローンを選ぶとスムーズに売れなくなる可能性が高くなることは知っておく必要があります。
住宅ローン借り換えでのオーバーローンはよく検討した上で選ぼう
住宅ローンの借り換えでのオーバーローンには、メリットだけでなくデメリットもあります。
借りられるなら少しでも多く借りちゃえ！という考えは危険で、のちのち家計を圧迫することにもなりかねません。これは借り換えに限らないことですが、「借りられる額」と「返せる額」は別物です。
本当にオーバーローンが必要なのか、オーバーローンにしても返済計画に問題はないのかをよく確認した上で、選んでいきましょう。
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