なぜ住宅ローンの事前審査(仮審査)はあるの?本審査との違いは?

住宅ローンを申し込むには審査が必要ですが、住宅ローンの審査には本審査と事前審査の2種類があります。

どうして住宅ローンの審査には事前審査があるのでしょうか。本審査との違いを含め、事前審査について解説していきます。

住宅ローンの事前審査とは

住宅ローンの事前審査は仮審査とも言われています。

事前審査は、おもにローン申込者の返済能力や信用情報をチェックする簡易的な審査です。そのため、提出書類はそれほど多くありません。

この事前審査に通らないと本審査を受けることはできません。

住宅ローンに事前審査がある理由

なぜ住宅ローンには、本審査とは別に事前審査があるのでしょうか。その理由は、負担を減らすためです。

住宅ローンは融資額も大きいため、審査は入念に行われます。申込者本人と購入希望物件の様々な書類の提出が必要です。そのため、住宅ローンの審査には時間と手間がかかります。

たとえば、多くの時間と労力をかけて書類を提出したのに、そもそもブラックリストに載っていて審査に通らなかったら、審査をする金融機関と書類を提出した申込者の大きな負担になってしまいます。

そのようなことを防ぐため、事前審査であらかじめ返済能力や信用情報についての簡易的なチェックを行います。事前審査があるおかげで、融資の可能性がない人の審査に無駄な負担をかけてしまうことが避けられます。

ただ、すべての金融機関で事前審査があるわけではなく、本審査しかない金融機関もあります。

事前審査と本審査の違い

事前審査では、おもにローン申込者の返済能力がチェックされます。

個人の信用情報もチェックされるため、クレジットカードの滞納などがあってブラックリストに載っていると、この事前審査の段階で落とされてしまいます。事前審査にかかる日数は、即日~1週間程度です。

それに対して本審査は、申込者の健康状態や物件の担保評価についてもチェックされ、事前審査でチェックされた返済能力についてもさらに入念にチェックされます。本審査に必要な提出書類は事前審査よりも多くなり、審査結果が出るのも1週間~2週間ほどかかります。

また、多くの場合で本審査は金融機関ではなく保証会社が行うのも、事前審査との大きな違いです。

事前審査に通っても本審査に落ちることがある

事前審査に通ったからといって安心するにはまだ早いです。

事前審査に通っても、100%本審査に通るわけではありません。それほど多くはありませんが、本審査で落ちてしまうケースもあるからです。

事前審査には有効期間がある

事前審査の結果には有効期限が設けられています。その有効期限は金融機関によって異なるのですが、60日、90日、180日といったように定められています。

もし、その有効期限を過ぎてしまったら、もう一度事前審査を受けることが必要です。

住宅ローンの審査に通るための対策

誰しも住宅ローンの審査には落ちたくないものです。

審査に通るための対策には、次のようなものがあります。

個人信用情報に傷をつけない

個人情報に傷がつくとは、いわゆるブラックリストに載るということです。ブラックリストに載った状態で住宅ローンの審査に通るのは、まず無理です。

ブラックリストに載らないように、クレジットカードや各種ローンの支払いは遅れないことが重要です。

他のローンを完済しておく

他のローンがあると返済余力は減り、金融機関からの融資可能額も減ってしまいます。

可能なかぎり他のローンを完済しておいた方が、住宅ローンの審査に通る確率は高くなります。

直前での転職活動は控える

住宅ローンの審査では、勤務先と勤務年数もチェックされます。勤務年数が短いと、その職場で継続して勤務できるかは未知数なため審査は厳しくなります。

転職を考えているのであれば、住宅ローンの審査通過後がおすすめです。

使っていないクレジットカードを退会する

クレジットカードのキャッシング枠は利用していなくても、他のローンの借り入れとみなされる可能性があります。

住宅ローンの審査を受ける前に、使っていないクレジットカードは退会し、不要なキャッシング枠も外してしまいましょう。

頭金を用意する

今は低金利なので頭金を入れずにフルローンを組む人も多いのですが、融資額が増えるほど審査には通りにくくなります。

頭金を用意して融資額を抑えた方が、間違いなく審査には通りやすくなります。

事前審査に落ちてしまったときの対処法

残念ながら住宅ローンの事前審査に落ちてしまった場合は、どうすればいのでしょうか。

次のような対処法が考えられます。

他の金融機関で申し込む

住宅ローンの事前審査に落ちてしまった場合、他の金融機関で申し込んでみるのも1つの対処法です。住宅ローンの審査基準は、金融機関によって異なるためです。

A銀行で審査に落ちてもB銀行では通る可能性があります。

ペアローンや収入合算を検討する

夫婦で配偶者にも収入があるのなら、ペアローンや収入合算という方法も有効です。

配偶者の収入も利用すれば、融資を受けられる可能性はグンと上がります。

融資希望額を減らして申し込む

融資希望額を減らすことで審査に通ることもあります。

頭金を増やしたり、購入する物件を変えたりして、融資希望額を減らして審査を受ければ通る可能性はあります。

信用情報をきれいにする

審査落ちした理由が個人信用情報だと明らかに分かっている場合は、まずはその個人信用情報をきれいにすることが必要です。

ブラックリストに載った情報は永久に残るわけではなく、5~7年程度で消えます。その間に新たな滞納などをせず、きちんと遅れずに支払いを続けることが一番の近道です。

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