シングルマザーだと住宅ローンが組めないと思っている人が多くいます。もしもそれが本当なら、母子家庭は賃貸住宅に住むか、現金一括でマイホームを購入するしかありません。
この記事では、シングルマザーが住宅ローンを借りたり、借り換えたりできるのかを解説していきます。
シングルマザーでも住宅ローンは借りられる
結論から言いますと、シングルマザーでも住宅ローンは借りられます。シングルマザーだからという理由だけで、住宅ローンを組めないなんてことはありません。
とはいえ、シングルマザーなら無条件で誰でも住宅ローンを組めるなんてこともありません。
住宅ローンを借りるためには、シングルマザーにかぎらず誰でも金融機関の審査をパスすることが必要です。
シングルマザーだと審査に通らない人が多い
シングルマザーでも住宅ローンを借りられると言いましたが、実際には借りられない人もたくさんいます。結婚している夫婦やシングルファザーに比べると、シングルマザーの方が審査は通りにくいのが現状です。
シングルマザーが住宅ローンの審査に通りにくい理由は、収入が少なくてローンの支払い能力が低いためです。
厚生労働省が公表している令和3年度全国ひとり親世帯等調査を見ると、シングルマザーの平均年間就労収入は236万円です。給与所得者の平均給与は443万円(令和3年分民間給与実態統計調査)なので、シングルマザーの収入は、給与所得者の平均よりもかなり低いことが分かります。
また、シングルマザーの就業率は86.3 %ですが、正規雇用が48.8 %、パート・アルバイト等が 38.8 %となっていて、パートやアルバイトなどの非正規雇用の割合が高いのも特徴です。非正規雇用は正規雇用よりも収入が不安定で、職を失う可能性も高いため、住宅ローンの審査に通りにくくなります。
慰謝料・養育費や児童扶養手当は年収に含まれる?
シングルマザーだと児童扶養手当を受けていたり、離婚した元夫から慰謝料や養育費を受け取っていたりすることも考えられます。年収は住宅ローンの審査で重要なものの一つですが、養育費や児童扶養手当などを収入合算して年収に含めることはできるのでしょうか。
残念ながら慰謝料・養育費や児童扶養手当を年収に含めて審査してもらうことはできません。
特に養育費は、元夫に何かあったときに支払われなくなるケースも少なくないため、安定的な収入とは言えません。住宅ローンの審査に通るために重要なのは、就労による年収です。
住宅ローンの審査に通るためにシングルマザーがすべきこと
シングルマザーが住宅ローンの審査に通るために、どんなことをすればいいのかを挙げていきます。
年収を上げる
現在の年収が低いのなら、まずは年収を上げるのが先決です。
必要な年収額は金融機関や借入額によっても変わってきますが、最低でも年収200万円以上、できれば300万円くらいあると審査に通る確率はグッと上がります。大手の銀行だと年収400万円以上ないと審査が通らないところもあります。
子どもが小さいうちはすぐに年収を上げるのが難しいかもしれませんが、子どもの成長とともにどのように収入を上げていくのかを計画しておくことは重要です。
正規雇用になる
非正規雇用のシングルマザーは、正規雇用になることで、住宅ローンを借りやすくすることができます。同じ年収であっても、非正規雇用よりも正規雇用の方が安定しているため、金融機関からの信用も高くなります。
現在の勤め先で正規雇用になる方法はないか、もしくは転職して正規雇用になれないか検討してみましょう。
非正規雇用でもフラット35なら審査に通る可能性は高い
全期間固定のフラット35は、非正規雇用でも審査に通りやすい住宅ローンです。
非正規雇用から正規雇用になるのは難しいけれど、年収がそれなりにある人であれば、フラット35を検討するのも手です。
頭金を用意する
頭金が多ければ多いほど、住宅ローンでの借入額を抑えることができます。
頭金なしで住宅ローンを組むこともできますが、住宅ローンの借入額は少なければ少ないほど融資は受けやすくなりますし、返済にもゆとりができるはずです。
健康状態に気を付ける
住宅ローンを借りる際には、団信に加入するのが一般的です。団信とは、団体信用生命保険のことで、住宅ローンの契約者が亡くなったときにローンの残債が金融機関に支払われる保険です。
団信があればシングルマザーに万が一のことがあっても、ローンは残らず、子どもたちにマイホームを残すことができます。
しかし、団信は生命保険ですので、健康状態によっては加入することができません。シングルマザーは1人で2役や3役をこなさなければならない多忙の身ですが、健康を害さないように体調管理も必要です。
シングルマザーでも住宅ローンの借り換えはできる
シングルマザーは、新規の住宅ローンだけでなく、住宅ローンの借り換えもすることができます。住宅ローンの借り換えにも審査はあるので、新規で住宅ローンを借りるときと同じく、安定した支払い能力は不可欠です。
住宅ローンの借り換えをうまく活用できれば、総支払額を大きく削減することができます。
住宅ローンを組んでからまったく見直していないシングルマザーは、借り換えでどれだけ節約できるのかをまずは一度試算してみましょう。場合によっては数百万円単位の節約も可能です。
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