住宅ローンを契約するとき、保証料も必要になることがほとんどです。住宅ローンは金額も大きいだけに、保証料もまとまった金額になります。
住宅ローンを借り換えると、この保証料は返金してもらえるのでしょうか。
そもそも保証料って何?
住宅ローンの保証料とは、保証会社に支払う費用です。
かつては、住宅ローンを組む際に連帯保証人を立てることが求められていました。しかし、連帯保証人には債務者と同じ責任があり、債務者がローンを支払えなくなると、連帯保証人がそれを肩代わりしなければなりません。連帯保証人になることはリスクが大きく、頼む方もお願いしづらいものでした。
最近の住宅ローンでは、連帯保証人の代わりに保証会社を利用するのが一般的です。保証会社に保証料を支払うことで、保証会社が連帯保証人の代わりになってくれるのです。
それにより債務者の支払いが滞ったときは、保証会社が債務者の代わりに立て替えて金融機関に返済をします。
保証料の支払い方法は外枠方式と内枠方式の2種類
住宅ローンの支払い方法は2種類あります。
住宅ローン契約時に一括前払いで支払う外枠方式と、住宅ローン金利に保証料を上乗せして毎月支払う内枠方式です。
外枠方式
保証料を外枠方式で支払う場合、保証料は借入額の2%程度です。
外枠方式の方が保証料の総額は抑えられ、毎月の支払いも少なく済むのですが、住宅ローン契約時にまとまったお金が必要になります。
内枠方式
一方の内枠方式は、住宅ローン金利が0.2%程度上乗せされます。
内枠方式だと、初期費用を安く済ませられるものの、支払う保証料の総額が多くなり、毎月の返済額も増えます。
保証料不要の住宅ローンもある
数ある住宅ローンの中には、保証料が不要のものがあります。全期間固定金利タイプのフラット35も保証料は不要です。
数十万円にもなる保証料が要らないというのは、かなりお得に感じるかもしれません。しかし、注意しなければならない点があります。
保証料不要の住宅ローンの注意点
保証料不要の住宅ローンは、保証料が要らない代わりに、事務手数料が高額になっているケースが多いです。また、保証料不要の住宅ローンは、金融機関が貸し倒れリスクを抱えることになるので、審査は厳しくなる傾向があります。
住宅ローンを選ぶ際には、保証料不要という言葉に飛びつくのではなく、トータルで比較することが重要です。
外枠方式だと住宅ローンの借り換えで保証料が戻る
住宅ローンの契約時に、一括前払いで保証料を支払う外枠方式の人は、住宅ローンの借り換えをしたときに、保証料を返金してもらうことができます。
外枠方式の場合は、全期間の保証料を一括で前払いしているため、借り換え時点での未経過分の保証料が戻ってくるのです。
住宅ローンの借り換えだけでなく、全額繰上返済でも保証料は戻ってきますし、一部繰上返済でも戻ってくるケースがあります。
住宅ローンの借り換えで戻ってくる保証料はいくら?
外枠方式の人にとって、住宅ローンの借り換えで保証料が戻ってくるのはうれしいところですが、気になるのはその金額です。保証料はいくらぐらい戻ってくるのでしょうか。
下の画像は、独立系保証会社最大手の全国保証株式会社の返戻保証料についての例です。
画像の例は3,000万円を30年借りたケースで、一括で前払いする保証料は578,910 円です。この例で、15 年経過した時点で全部繰上返済すると、戻ってくる保証料は94,311 円です。これは一括で支払った保証料578,910 円の16.3%に相当します。
30年ローンを15年で全額繰上返済すれば、50%くらい戻ってきてほしいところですが、残念ながら実際はかなり目減りしてしまっています。
返戻率を見ると、60ヶ月(5年)で49.3%、120ヶ月(10年)で30.0%しか戻ってこないことが分かります。これは、あくまでも一例ですが、他の保証会社でも似たような感じです。
住宅ローンの契約から年数が経っている場合、住宅ローンの借り換えで戻ってくる保証料にはあまり期待しない方がよさそうです。
住宅ローンの借り換えには大きな節約が期待できる
住宅ローンの契約から10年以上経っていると、保証料の返金額にはあまり期待できないかもしれませんが、住宅ローンの借り換えで節約できる金額には期待できそうです。
10年以上前の住宅ローンの金利は、現在の金利と比べるとかなり高いです。金利差が1%以上あると、住宅ローン借り換えによるメリットは大きくなると言われますが、今は0.1%台の住宅ローンも存在します。
借り換えには諸費用がかかりますが、それを考慮しても数百万円の節約になるケースは少なくありません。世の中に節約方法はたくさんありますが、個人で数百万円の節約ができるものなんて、住宅ローンの借り換えぐらいしか見当たりません。
住宅ローンの借り換えは、早ければ早いほど節約メリットも大きくなります。今、住宅ローンを借り換えるとどれくらい節約できるのか、まずは無料でシミュレーションしてみましょう。
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