2016年4月の電力小売全面自由化によって一般家庭でも、電力会社を選べるようになりました。自分の生活スタイルに合った電気料金プランを選択すれば、電気代も安くすることが可能です。
この電力自由化をビジネスチャンスと捉えて、多くの企業が電力小売事業に参入しています。登録されている新電力会社は700社以上ありますが、中には怪しい会社や詐欺まがいの営業活動をしている会社もあるのが現状です。
この記事では、電気の切り替えに関する詐欺行為への対策と、間違って契約してしまったときのクーリングオフのやり方について説明していきます。
電力詐欺のよくあるパターン
電力詐欺は巧妙な手口で行われています。よくあるパターンを見てみましょう。
大手電力会社を名乗ってくる
聞いたこともない電力会社からの営業だと怪しまれることも多いため、ネームバリューのある東京電力や関西電力といった大手電力会社の名前を出してくることがあります。
大手電力会社の社員とは言わなくても、大手電力会社と関連していたり、依頼を受けていたりすることをほのめかすケースも多いです。
電力会社の切り替えが必要なように話してくる
「大家さんの意向で電力会社が変更になる」
「このエリア全域で電力会社を切り替えることになった」
このような言葉で、あたかも電力会社の切り替えが必要であるかのように案内されるパターンもありますが、これも詐欺の手口です。大家さんであっても、入居者に電力会社の切り替えを強制させることはできません。
電気の検針票を見せるように迫ってくる
検針票を見せてほしい、検針票の写真を撮らせてほしいと言われるパターンがあります。検針票は、電力会社の切り替えに必要な情報の宝庫です。
検針票に載っている供給地点特定番号とお客様番号を知られると、最悪の場合は勝手に電力会社を切り替えられてしまう可能性があります。
スマートメーターの交換で費用を請求してくる
アナログ式の電力メーターからデジタル式のスマートメーターへの交換は、2024年度末までに完了する予定です。スマートメーターへの切り替えは、国の政策なので基本的には立ち合い不要で費用も無料です。
しかし、スマートメーター本体の購入費用や交換費用を請求してくる不届き者もいます。また、スマートメーターへの交換に必要だからと言って、供給地点特定番号とお客様番号を尋ねてくることもあります。
電気代があり得ないほど安くなるとアピールしてくる
「電力会社を切り替えれば、今の電気代が半額になります!」
このようなことを平気で言う業者もいます。
電力小売事業は、ぼろ儲けできる事業ではありません。ほとんどの電力会社は電気を市場から購入しているので、電気代が半額になれば、その電力会社は間違いなく赤字です。
あり得ないほど電気代が安くなることを言ってくるときは、詐欺だと思って間違いないでしょう。
電気料金プランや〇年縛りなどを説明しない
よくあるのが、具体的な料金プランを明らかにしなかったり、契約年数の縛りなどを説明しなかったりするパターンです。
電気料金の請求後や解約時になって、「話が違う」、「こんなこと聞いていない」と後悔することになります。
電気の切り替え詐欺への対策方法
検針票は絶対に見せない
電気の検針票は重要な個人情報です。
検針票を見せるのはもちろん、写真を撮らせることは絶対にやめましょう。供給地点特定番号とお客様番号を口頭で伝えるのも同じくNGです。
すぐに契約をしない
訪問営業でも電話営業でも、その場ですぐに契約をすることは避けましょう。
魅力的な話だったとしても、契約をするのは、家族や友人と相談したり、勧められた電力会社のことを調べたりした後です。
名刺などをもらう
訪問営業の場合は、相手の名刺や連絡先をもらってください。電話営業でも相手の名前と社名や連絡先は必ず尋ねて控えておくべきです。
相手が連絡先を教えたがらないときは、怪しく信用できないので断りましょう。
その場でお金を払わない
電力会社を切り替えることで、その場でお金が必要になることはありません。スマートメーターの交換でも同様です。
その場で支払ったお金が後で戻ってくる可能性は低いので、お金を払うのはやめ、不審に思ったときはためらわずに通報しましょう。
そもそも営業の話を聞かない
今は電気にかぎらず、詐欺や詐欺まがいの訪問や電話が数多くあります。どれが詐欺なのかを見分けるのも難しいのが現状です。
訪問営業や電話営業をしている人には申し訳ないですが、知らない人からの営業の話には、耳を貸さないのが詐欺への一番の対策になります。
電力会社のクーリングオフのやり方
もしも訪問営業や電話営業で申し込んでしまった後に取り消したいと思ったなら、クーリングオフをすることができます。
クーリングオフができるのは、契約書面を受け取った日から8日以内です。クーリングオフは電話や口頭ではできず、ハガキなどの書面で行います。
記入するのは、契約年月日、サービス名、契約金額、販売会社、担当者名、「この契約を解除します」という文言、そして、自分の住所と氏名です。
記入した書面は郵送する前に必ず両面のコピーを取っておき、証明が残る特定記録郵便か簡易書留で送ります。
クーリングオフのやり方
- 8日以内にハガキなどの書面で行う
- 契約年月日、サービス名、契約金額、販売会社、担当者名、「この契約を解除します」という文言、自分の住所と氏名を記入する
- 書面の両面をコピーしておき、特定記録郵便か簡易書留で送る
クーリングオフのやり方についてもっとくわしく知りたい人には、次の相談窓口があります。
- 経済産業省電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口:03-3501-5725
- 消費者ホットライン: 188(局番なし)
詐欺にあわずに電力会社を切り替える方法
詐欺の被害に合わずに電力会社を切り替えたいのなら、誰かから営業されるのを待つのではなく、自分から行動を起こすのがおすすめです。
今はインターネットで様々な情報を得ることができます。電力会社の比較サイトを使うことで、電気料金プランを簡単に比較することが可能です。
わたしはこれまでに5回電力会社を変えましたが、だいたいエネチェンジという比較サイトを利用しています。エネチェンジは、キャッシュバックなどの独自特典が豊富で、人気の比較サイトです。
自分の生活スタイルに合った電気料金プランを選ぶことができれば、電気代もラクに節約することができるので、積極的に切り替えていきたいところですね。
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