通常、ブラックリストに載ってしまうと、ローンを組むことは出来ないはずです。ところが、ネット上では「ブラックリストに載っても住宅ローンの審査に通った」というような記事をチラホラ見かけます。
ブラックリストに載っても住宅ローンに通ることがあるのかどうかを解説していきます。
ブラックリストに載るとはどういう状態?
そもそもブラックリストに載るとは、どういう状態を指すのでしょうか。
ブラックリストに載るというのは、ローンの支払い遅延や滞納、債務整理といった金融事故の情報が信用情報機関に記録されることです。実際にブラックリストというものがあるわけではありませんが、信用情報に傷がついた状態のことをブラックリストに載ると表現しています。
ブラックリストの載る条件は、おもに次の6つに該当したときです。
長期の返済遅延
複数回の短期の返済遅延
保証会社による代位弁済
債務整理(任意整理、個人再生、自己破産)
短期間に複数のクレジットカードやローンの申し込み
クレジットカードの現金化
ブラックリストに載ると住宅ローンにはほぼ通らない
個人がローン契約を申し込む場合、金融機関や信販会社は加盟している個人情報機関でその個人の信用情報を照会します。
照会してブラックリストに載っていると、その個人との契約はリスクが高いと見なされ、審査落ちする可能性が高くなります。
一般的に住宅ローンは金額が大きく、返済が滞ったときの損失額も大きいため、ブラックリストに載っている人が審査に通ることはまずありません。
「ブラックリストに載っても住宅ローンに通った」理由
ブラックリストに載っている人が住宅ローンに通るのはほぼ無理なのに、どうして「ブラックリストに載っても住宅ローンの審査に通った」という記事があるのでしょうか。
その1つ1つの真偽は分かりませんが、可能性として考えられることを5つ挙げてみたいと思います。
潤沢な資産があり住宅ローンが少額だったケース
住宅ローンは必ずしも金額が大きいわけではありません。
借入額が数百万円の住宅ローンもあります。借入額が少なければ、金融機関のリスクも抑えられます。
さらに潤沢な資産を保有していることが明らかであれば、貸し倒れとなるリスクは低いと判断されてもおかしくありません。
潤沢な資産があり住宅ローンの借入額が少なければ、ブラックリストに載っていても住宅ローンの審査に通る可能性はあるかもしれません。
ブラックリストに載っていない配偶者名義で契約した
ブラックリストに載るのは、世帯ではなく個人です。夫婦のどちらかがブラックリストに載ったとしても、その配偶者までブラックリストに載るわけではありません。
本人がブラックリストに載っていても、信用情報に傷のない配偶者が申し込めば審査に通っても不思議ではありません。
そもそもブラックリストに載っていなかった
本人がブラックリストに載っていると思っているだけで、実は信用情報に何も問題がなかったというケースです。
支払いが遅延しても、そのすべてが信用情報に傷をつけるわけではありません。たまたま1度だけローンの引き落とし日にお金が落ちなかった場合、その後すぐに支払えばブラックリストの登録対象外です。
また、そもそも信用情報機関に加盟していない会社や団体の支払いが滞っても、ブラックリストには載りません。
たとえば、税金や年金、公共料金、生命保険、損害保険などで滞納をしても信用情報は無傷です。ただし、それらの料金をクレジットカード支払いにしていて滞納してしまった場合は、ブラックリストに載ってしまいます。
ブラックリストの記録が消えていた
ブラックリストの記録は永久に残るわけではありません。ブラックリストに情報が残るのは、5年から7年程度です。
つまりその期間を過ぎればブラックリストの記録は消えるので、住宅ローンも問題なく申し込むことができます。
ただのウソ
アクセスを稼ぎたいがために、人目をひくようなウソの記事を書いている人もいるかもしれません。実際にネット上には、ウソの情報や間違った情報も数多くあります。
ネットで知りえたことをそのまま鵜呑みにはしない癖をつけておいた方がいいでしょう。
自分がブラックリストに載っているかを確認する方法
自分がブラックリストに載っているかもしれないと心配な方は、信用情報機関に自身の信用情報を開示してもらうことが可能です。
国内には、シー・アイ・シー(CIC)、日本信用情報機構(JICC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)という3つの信用情報機関があります。
シー・アイ・シー(CIC)はおもにクレジットカード会社、日本信用情報機構(JICC)はおもに消費者金融、全国銀行個人信用情報センター(KSC)は銀行や保証会社などの金融機関が加盟しています。
どれも1,000円程度で情報開示が可能です。
ブラックリストに載っているかどうかが不安な人は、住宅ローンの申し込み前に確認しておくといいでしょう。
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