最近の自動車保険では、ドライブレコーダー特約というものをちらほら見かけるようになりました。
ドライブレコーダー特約は新しい特約なので、よく分からない人も多いかもしれません。
この記事では、ドライブレコーダー特約のメリットとデメリットをくわしく解説していきます。
ドライブレコーダー特約とは
ドライブレコーダーは映像や音声を記録する車載機器です。
車に大きな衝撃があったときに、その前後の映像と音声を保存します。
2017年に「あおり運転」での事故のニュースが取り上げられたことで、自衛の手段としてドライブレコーダーを取り付ける人は年々増えています。
自動車保険のドライブレコーダー特約は、保険会社からドライブレコーダーをレンタルできるサービスです。
ドライブレコーダー特約のメリット
事故の記録が事故受付センターへ自動送信される
保険会社からレンタルするドライブレコーダーは、事故の際にドライブレコーダーの記録を事故受付センターへ自動送信してくれます。
自分でドライブレコーダーの記録を提出する手間は不要です。
事故対応時のサポートがすぐに受けられる
保険会社からレンタルされるドライブレコーダーには通話機能が付いているので、事故の際には自分から連絡しなくても事故受付センターからすぐにサポートを受けられます。
事故に遭って焦っていても、まず自分が何をするべきかを教えてもらうことができます。
高性能のドライブレコーダーが安く借りられる
ドライブレコーダーもピンキリですが、保険会社からレンタルされるドライブレコーダーは高性能なものです。
購入し取り付けると数万円の費用がかかりますが、ドライブレコーダー特約であれば月に1,000円もしないで借りられます。
安全運転をサポートしてもらえる
ドライブレコーダー特約で保険会社から貸与されるドライブレコーダーには、安全運転をサポートする機能が付いているのも特徴です。
前方へ衝突しそうなときや、車線のはみだしがあるときに警告してくれる機能などがあります。
また、運転診断レポートで提供されるので、自分の運転を振り返ることができます。
ドライブレコーダー特約のデメリット
プライバシーが筒抜けになる
ドライブレコーダーは運転中、常に音声と映像を記録しています。
車の中での会話もすべて筒抜けです。
保険会社が利用するのは事故の前後の記録のみですが、いつ事故に遭うかなんて分かりません。
事故直前に他人に聞かれたくない会話をしていても、その記録はすべて保険会社に提供されてしまいます。
保険会社を変えるとドライブレコーダーも返却しなければならない
ドライブレコーダー特約で保険会社から送られてくるドライブレコーダーはレンタルなので、保険会社を変えれば返却が必要です。
乗り換え先の保険会社でもドライブレコーダー特約を付けるにしても、古いのを取り外して新しいのを取り付ける手間や工賃などがかかります。
ドライブレコーダーのレンタル費用がかかる
ドライブレコーダーを保険会社からレンタルするため、レンタル費用が発生します。
ドライブレコーダーのレンタル費用は年間で1万円前後です。
何年も契約するのであれば、自分でドライブレコーダーを購入した方が安上がりかもしれません。
ドライブレコーダーを選ぶことはできない
保険会社からレンタルされるドライブレコーダーは、自分の好みで選ぶことはできません。
保険会社からのドライブレコーダーは基本的に高性能ですが、機能やデザインにこだわりたい人にはデメリットです。
ドライブレコーダー特約がある保険会社は限られている
ドライブレコーダー特約がある保険会社は以下の5社のみです(2023年3月1日現在)。
・損保ジャパン
・三井住友海上
・あいおいニッセイ同和損保
・三井ダイレクト損保
ドライブレコーダー特約を付けたいと思っていても、現時点でこの5社の中からでしか選べません。
さらにそのほとんどが、保険料がダイレクト型よりも割高な代理店型の自動車保険です。
ダイレクト型自動車保険では、三井ダイレクト損保が初めてドライブレコーダー特約の提供を2023年1月1日に開始しました。
今後、他の保険会社でもドライブレコーダー特約を取り扱ってほしいところです。
ドライブレコーダー特約は付けた方がいい?
自動車保険のドライブレコーダー特約には、メリットもデメリットもあります。
便利な特約ではありますが、必ずなければならない特約ではありません。
現在載っている車にすでにドライブレコーダーが付いているのなら、あえてドライブレコーダー特約に加入する必要はないかもしれません。
費用面でも、自分でドライブレコーダーを購入した方が、長い目で見れば安くすむでしょう。
ドライブレコーダー特約の一番のメリットは事故の際の対応です。
事故受付センターからのサポートがすぐに受けられる点や、後日ドライブレコーダーの記録を提出することが不要な点に価値を感じる人は、自動車保険にドライブレコーダー特約を付けるのがおすすめです。
一方で、プライバシーが心配な人や自動車保険の保険料を抑えたい人は、ドライブレコーダー特約を付けずに、自分でドライブレコーダーを購入した方がいいでしょう。
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