ひき逃げと違い、当て逃げは加害者が見つかりにくく、被害者が負担を強いられることが多いです。
悔しいですが、加害者が分からないかぎり賠償請求もできません。
このような当て逃げの被害があったときに、自動車保険からの補償はあるのでしょうか。
車の当て逃げ被害を補償するのは車両保険
当て逃げで車が被害を受けたとき、自動車保険から保険金が出るケースがあります。
それは、車両保険に加入しているケースです。
車の当て逃げ被害には、車両保険を使うことができます。
しかし、車両保険の種類によっては補償の対象外です。
車両保険でもエコノミー型だと当て逃げは補償対象外
車両保険には、「一般型」と「エコノミー型」の2種類があります。
「エコノミー型」は補償範囲が狭い代わりに、保険料が「一般型」よりも安くなるプランです。
この「エコノミー型」では、当て逃げによる被害は補償対象外となっています。
当て逃げで車両保険を使えるのは、「一般型」の場合のみです。
当て逃げで車両保険を使うと3等級ダウンしてしまう
「一般型」の車両保険に入っていれば、当て逃げされても車両保険を使って修理ができますが、この際に注意しなければならないことがあります。
当て逃げで車両保険を使うと、自動車保険の次の更新時にノンフリート等級が3等級も下がってしまうのです。
自分に何の過失もないのに、翌年から自動車保険の保険料が上がってしまうのは腹立たしいところです。
さらに、車両保険に免責設定があれば、免責額も自己負担しなければなりません。
修理費用が安いときには車両保険を使うと損することも
当て逃げで被害での修理費用がそれほどかからないケースでは、車両保険を使わない方がいいかもしれません。
車両保険を使ってノンフリート等級が下がることで、翌年以降の保険料アップが修理費用を上回る可能性があるからです。
これは当て逃げにかぎらず、他の事故でも当てはまります。
一概に言うことはできませんが、自動車保険を使う目安となる金額は現在の年間保険料の約2倍程度~と考えてください。
自動車保険から保障される保険金額が、現在の自動車保険の年間保険料の約2倍以下の金額であれば、保険を使わずに自腹で支払った方が長い目で見たときに安くすみます。
自動車保険を使う目安の金額は、現在のノンフリート等級によっても異なります。くわしく知りたい方は、以下の記事を読んでみてください。
当て逃げにあったときはどうしたらいい?
当て逃げ被害に遭ったときには、次の4点を必ず行いましょう。
警察へ通報する
当て逃げ被害にあったら、まずは警察に通報しましょう。
警察に通報することで、加害者が見つかる可能性は上がります。
車両保険を使うときには、警察が作成してくれる事故証明書が必要です。
証拠を集める
加害者に関する情報は、できるかぎり証拠に残すことが重要です。
車種やカラー、ナンバーが分かればメモを取りましょう。
ドライブレコーダーがあれば、事故当時の映像を確認し保存しておきます。
また、自分の車の被害状況も分かるように、スマートフォンで写真を撮っておくことも忘れずに。
当て逃げの目撃者がいれば、警察へ話すようにお願いしてみてください。
駐車場や街頭に防犯カメラや監視カメラがあるときには、管理者に事情を話して映像を確認させてもらいます。
カメラの映像を見せてもらえないときも、警察から照会してもらうことで見せてもらえるはずです。
保険会社へ連絡する
自分が加入している自動車保険の保険会社へ、当て逃げにあったことを連絡しましょう。
自分の自動車保険の内容を細かく把握している人はあまりいませんので、保険会社へ連絡したときに補償内容を確認してください。
「一般型」の車両保険に加入していて当て逃げが補償される場合でも、その保険を使うかどうかは修理費用の見積もりを取ってから選ぶことが可能です。
当て逃げ被害を防ぐためにできること
ドライブレコーダーを付ける
ドライブレコーダーの映像は、当て逃げの重要な証拠です。
ドライブレコーダーを付けることで、当て逃げの加害者を特定できる確率は格段に上がります。
少し値段は張りますが、運転中だけでなくエンジンを切った駐車中にも録画できるドライブレコーダーだとさらに安心です。
駐車場では監視カメラの死角を避ける
大型の店舗や商業施設であれば、監視カメラを設置していることが多いです。
とはいえ、監視カメラにも死角があります。
なるべく監視カメラの死角にならないスペースに駐車することで、当て逃げにあっても加害者を見つけやすくなります。
出入り口から遠いスペースに駐車する
駐車スペースは、建物の出入り口に近いところから埋まっていきます。
不便ではありますが、出入り口から離れて空いているスペースに駐車すれば、当て逃げ被害に遭う可能性を低くできます。
「一般型」の車両保険に加入する
「一般型」の車両保険であれば、当て逃げの補償対象です。
免責額の自己負担や、ノンフリート等級の3等級ダウンもあるものの、被害額が大きいときには助けになります。
ただ、「一般型」の車両保険は保険料も高額なので、自動車保険を比較して保険料を抑えるのがおすすめです。
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