自動車保険のノンフリート等級は、家族間で引継ぐことができます。
ただ、家族であれば誰でも引継げるわけではなく、条件があります。
別居している子どもは親の等級をもらうことができるのでしょうか。
家族間の等級引継ぎについて、くわしく解説していきます。
自動車保険のノンフリート等級は引継ぐことができる
自動車保険にはノンフリート等級制度があり、等級に応じて保険料が割引きされる仕組みです。
無事故で保険を使わずに更新をすることで等級は上がり、等級が上がると保険料の割引率も上がります。
反対に事故で保険を使うと、等級は下がり保険料の割引率も下がってしまいます。
このノンフリート等級は、家族内で引継ぐことが可能です。
等級を引継ぐメリット
等級を引継ぐメリットは、保険料を安くできることです。
ノンフリート等級は20等級(一部共済は22等級)まであり、新規契約時には6等級からスタートします。
子どもが車を購入して自動車保険に加入すると、本来であれば6等級で契約するのですが、親の高い等級を引継ぐことができれば、安い保険料で契約することができます。
親が引き続き車に乗る場合、等級を譲った親は6等級(セカンドカー割引が適用できれば7等級)からスタートしなければなりませんが、若い人ほど保険料は高くなるため、高いノンフリート等級を子どもに譲った方が家族内のトータルの保険料は安くすることができます。
子どもへの等級引継ぎは同居が必須
等級引継ぎは保険料を安くするのに有効な手段ですが、家族内であれば無条件に行えるわけではありません。
等級引継ぎができるのは、次のいずれかに当てはまる人のみです。
・記名被保険者の同居の親族
・記名被保険者の配偶者の同居の親族
記名被保険者の配偶者以外は、同居が必須条件となっています。
つまり、実の子どもであっても別居していれば等級引継ぎをすることはできません。
住民票の住所は異なっていても実際に同居していれば引継ぎOK
ここで言う同居というのは、住民票の住所が同じことを指しているわけではありません。
住民票の住所が異なっていても、実際に同居していれば等級引継ぎは可能です。
逆を言えば、住民票の住所が同じでも、実際は同居をしていないのなら等級引継ぎはできません。
別居しているのに等級引継ぎのために、住民票を移すような小細工は不正になるので絶対にやめましょう。
別居なのに同居とごまかして等級引継ぎするとバレる?
同居していないのに、ごまかして等級引継ぎをすることはできるかもしれません。
しかし、事故で保険を使う時に住所等の調査をされてバレる可能性があります。
別居をごまかして等級引継ぎをしたことがバレると、最悪のケースでは自動車保険の解除となってしまいます。
保険金は支払われませんし、これまでに支払った保険料も戻ってきません。
解除されては自動車保険に加入する意味すらありません。
このような不正は絶対にNGです。
等級引継ぎにはタイミングも重要
等級引継ぎはいつでもできるわけではないので、タイミングが重要です。
等級引継ぎができるのは、家族の車を増やすときか、現在の契約車両を譲渡もしくは廃車にするときです。
子どもが車を購入して数ヶ月後に等級引継ぎをするようなことはできないので、注意が必要です。
等級引継ぎは、タイミングを逃さないように計画的に行いましょう。
タイミングが合わないときは中断証明書を発行してもらおう
親が車を手放してしばらくしてから同居の子どもが車を購入するようなケースでは、中断証明書を発行してもらいましょう。
中断証明書とは、しばらく車に乗らないときに発行してもらえ、以前の自動車保険の等級を証明する書類です。
中断証明書があれば、車の運転を再開するときに以前の等級を引継ぐことができます。
親が車を手放し自動車保険を解約して7日を超えると、これまでの等級がリセットされてしまいます。
その後に同居の子どもが車を購入しても、親の等級はリセットされてしまっているので、引継ぐことができません。
しかし、中断証明書があれば、以前の親の等級を引継いで自動車保険に加入することができます。
等級引継ぎと同時に保険会社も見直すのがおすすめ
自動車保険の等級引継ぎは、同じ保険会社でしか行えないものではありません。
等級引継ぎと同時に、保険会社を見直すことも可能です。
自動車保険は保険会社によって保険料が違います。
同じ補償内容であっても、保険会社を変えることで保険料が年間で1万円以上安くなるケースも珍しくありません。
等級引継ぎのメリットは保険料を安くできることですが、保険会社の見直しをすることでさらに保険料を安くできる可能性があります。
特にインターネットなどを介して契約するダイレクト型の保険料は割安です。
等級引継ぎの機会に複数社の自動車保険を一括見積もりして、保険料の節約をするのがおすすめです。
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