障害者手帳を持っている人は生命保険に入れる?入れない?

生命保険の申し込み時には、医師の審査か告知などを通して健康状態を保険会社に知らせることが必要ですが、健康状態によっては引き受けてもらえず、生命保険に入れないことがあります。

では、障害者手帳を持っている人は生命保険には入れないのでしょうか。

この記事では、障害者手帳を持っている人が生命保険に入れるのか、それとも入れないのか、ファイナンシャルプランナーの私がくわしく解説していきます。

生命保険の申し込みには医師の審査や告知が必要

生命保険に加入するためには、申し込み手続きをします。その申し込み手続きの中で、生命保険の保障の対象となる被保険者の健康状態を、保険会社に知らせなければなりません。

健康状態を知らせる方法は、医師の審査や告知などです。死亡保障額の大きな生命保険だと保険会社所定の医師の審査を受けたり、健康診断結果を提出したりすることもありますが、少額の死亡保険や医療保険などのほとんどは告知のみです。

なぜ保険会社は、被保険者の健康状態を知ろうとするのでしょうか。

生命保険の申し込み時に健康状態を知らせることが必要な理由

生命保険の申し込み手続きで、保険会社に被保険者の健康状態を知らせないといけない理由は、保険の公平性を保つためです。生命保険には、加入者間での不公平が発生しないように、公平性の原則が求められています。

健康な若い人と大病で余命宣告を受けている人が、同じ条件で生命保険に加入するのは明らかに不公平です。そのような状態では、健康な若い人は生命保険に加入したくないでしょうから、生命保険そのものが成り立たなくなってしまいます。

もちろん、健康状態は個々に違うため、完全に公平ということはありえませんが、健康状態に一定の枠を設けることで、生命保険の公平性を極力保つようにしています。

障害は大まかに分けると3種類

障害にはたくさんの種類がありますが、大まかに分けると次の3つです。

身体障害 知的障害 精神障害(発達障害含む)

発行される障害者手帳も、この3種類の障害ごとに異なります。

身体障害

一般的に障害者と聞いて一番連想されるのが身体障害者で、発行されるのは身体障害者手帳です。身体障害には、肢体不自由、視覚障害、聴覚障害、言語やそしゃく機能の障害、内部障害(内臓などの障害)などがあります。身体障害の場合は、一目見るだけで障害だと分かることが多いです。

知的障害

知的障害者とは、おおむね18歳までに生じる知的機能の制約によって日常生活に支障をきたしている人のことです。読み書きや計算、計画を立てることやコミュニケーション能力などに支障をきたします。知的障害者に発行されるのは、療育手帳です。

精神障害(発達障害含む)

精神障害者には統合失調症、気分障害、てんかん、依存症などの精神疾患がある人だけでなく、自閉症やADHDなどの発達障害を持つ人も含まれます。精神障害者に発行されるのは、精神障害者保健福祉手帳です。

これらの障害を持っている人や、障害者手帳を持っている人は、生命保険に入ることができるのでしょうか。

障害者手帳を持っている人は生命保険に入れるかどうかはケースバイケース

結論から言うと、保険に入れるかどうかはケースバイケースです。障害生命保険のる人でも生命保険に入れることもあれば、入れないこともあります。

その理由を見ていきましょう。

生命保険の引き受け基準は保険会社によって異なる

生命保険の引き受け基準は、保険会社でそれぞれ違います。同じ終身保険であっても、保険会社が違えば告知書の質問も様々です。

障害や症状が同じであっても、保険会社によって引き受け可否の判断は異なります。また、保険会社は保険金や給付金の支払データなどから、引き受け基準を見直していくものです。

同じ障害であっても、以前は入れたのに、今では入れなくなっている可能性もあります。

障害の種類や度合いで審査結果は変わってくる

障害には多くの種類がありますし、同じ障害であっても障害の度合いには差があります。

軽度の障害であれば引き受けてもらえるけど、重度の障害では引き受けてもらえないことも珍しくありません。

引き受け基準は生命保険の種類によっても異なる

生命保険には死亡保険だけでなく、医療保険やがん保険や介護保険など、いろいろな種類の保険があります。

保障する内容や範囲が異なれば、引き受け基準が異なるのも当然のことです。同じ障害の度合いであっても、保険の種類によって入れたり、入れなかったりするでしょう。

一般的には、がん保険よりも死亡保険、死亡保険よりも医療保険の方が、引き受け基準が厳しくなっています。

障害があっても条件付きで入れることがある

障害者手帳を持っていても、生命保険によっては条件付きで入れるものもあります。

条件付きの場合は、保険料が高くなったり、加入後数年間の保障が削減されたり、特定の病気や体の部位や高度障害が保障されなかったりする可能性があります。

障害に関してウソをついて生命保険に加入すると告知義務違反になる

障害にかぎったことではありませんが、告知にウソはNGです。告知でウソをついて加入すると告知義務違反となり、保障を受けられないだけでなく、保険契約そのものが解除されてしまうこともあります。

告知義務違反は保険の公平性を損ない、自分自身も損することになるので、告知は必ず正確に記入しましょう。

障害が告知に該当しないケースもある

障害があっても告知に該当しないことはあります。たとえば、がん保険はがんに特化しているため、告知書に障害の有無を尋ねる質問はないはずです。

告知書はあくまでも質問されたことに対してのみ正確に答えていれば、告知義務違反になりません。障害者であったとしても、それが告知書の質問に該当しなければ、障害者であることを記入する必要はまったくありません。

障害があって生命保険に入れるか不安な人は乗合代理店との相談がおすすめ

障害者手帳を持っていると、生命保険に入れるかどうか不安に思うはずです。そんな時は、複数の保険会社を取り扱う乗合代理店のファイナンシャルプランナーと相談するといいでしょう。

先ほど説明したように、保険の引き受け基準は保険会社で異なります。しかし、各保険会社の引き受け基準の違いは、複数の保険会社を取り扱っていないとなかなか分かりません。

乗合代理店のファイナンシャルプランナーであれば、保険会社の特徴引き受け基準にもくわしいので、障害者でも入りやすい保険会社を提案してもらうことが可能です。障害者でも生命保険に入れる可能性はゼロではありませんので、まずは相談してみるといいでしょう。

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