ふるさと納税をしたのに、税金が減っていないと感じたことはありませんか。ふるさと納税の税金の控除をちゃんと受けられているか不安に感じたことがある人もいるはずです。
この記事では、ふるさと納税で税金の控除を受けられているかどうかを確認する方法について解説していきます。
ふるさと納税による税金の控除にはタイムラグがある
ふるさとの納税は寄付してすぐに税金の控除が受けられるわけではありません。税金の控除を受けるまでには、数ヶ月~1年以上のタイムラグがあるからです。
実際に税金の控除を受けるまでは、控除される分の金額を立て替えていることになります。
ふるさと納税の税金の控除を受けるためには申請が必要
ふるさと納税をして税金の控除を受けるためには、申請をすることが必要です。
申請をしなければ控除は受けられず、自治体に寄付した全額が自己負担となってしまいます。
ふるさと納税の申請方法は2通り
ふるさと納税をして税金の控除を受けるための申請方法は2通りあります。
ワンストップ特例制度
ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税の申請を簡単にするために設けられた制度です。ワンストップ特例制度で申請をすれば、ふるさと納税のためだけに確定申告をする必要はなくなります。
しかし、ワンストップ特例制度を利用するには次の条件があります。
・確定申告を行う必要がない
・その年にふるさと納税をする自治体が5つ以内
会社勤めをしていて会社で年末調整をする人の多くは確定申告が必要ないので、ふるさと納税での寄付先が5自治体以内であればワンストップ特例制度を利用できます。
翌年1月10日までに、寄付した自治体に必要書類が届くように送ればOKです。最近ではアプリやWEB上で申請できるところも増えています。
なお、確定申告をした場合はワンストップ特例制度の申請が無効になるので、改めて確定申告でふるさと納税の申請が必要になります。
確定申告
ワンストップ特例制度を利用しない人は、確定申告でふるさと納税の申請をすることが可能です。
ふるさと納税は寄付金控除に該当するので、寄付金控除の欄にふるさと納税での寄付金額を記入し、寄付した自治体が発行する寄附金受領証明書(またはふるさと納税仲介サイトが発行する寄附⾦控除に関する証明書)を添付して提出することで申請できます。
税金が控除されているか確認する方法
ふるさと納税でしっかり税金が控除されるかどうかが気になる人は、自分で確認することが可能です。
その確認方法は、ワンストップ特例制度と確定申告で異なります。
ワンストップ特例制度を利用した場合の確認方法
ワンストップ特例制度を利用すると、住民税から税金が控除されます。毎年5月~6月に勤務先から渡される住民税決定通知書で確認することができます。
この住民税決定通知書の下にある「摘要」を見てください。「摘要」に記載されている寄付金控除や寄附金税額控除額の金額が、「昨年ふるさと納税で寄付した総額-2,000円」程度であれば、正しく控除されていることになります。
控除額はまとめて受け取れるわけではありませんが、毎月支払う住民税から控除額の分が差し引かれて安くなります。
確定申告した場合の確認方法
確定申告でふるさと納税の申請をすると、所得税と住民税のそれぞれから税金が控除されます。
所得税から控除される金額は、確定申告書の「還付される税金」欄を見ることもできますが、それだと内訳は分からないので、ふるさと納税での控除額を確認できません。
ふるさと納税による所得税の控除額は、「昨年ふるさと納税で寄付した総額-2,000円」×所得税率で計算できます。
現在の所得税率は次のようになっています。
課税される所得金額 | 所得税率 | 控除額 |
1,000円 から 194.9万円まで | 5% | 0円 |
195万円 から 329.9万円まで | 10% | 97,500円 |
330万円 から 694.9万円まで | 20% | 427,500円 |
695万円 から899.9万円まで | 23% | 636,000円 |
900万円 から 1799.9万円まで | 33% | 1,536,000円 |
1800万円 から3999.9万円まで | 40% | 2,796,000円 |
4000万円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
そして、残りの控除分は住民税から控除されます。
つまり、住民税決定通知書の摘要に記載されている住民税からの控除額が、「昨年ふるさと納税で寄付した総額-2,000円」×「1-所得税率」程度であれば、控除額が正しいことになります。
たとえば、昨年72,000円のふるさと納税をして所得税率が20%の人の場合を計算してみましょう。
(72,000円-2,000円)×(1-20%)= 70,000円 × 80% = 56,000円
住民税決定通知書の摘要に記載されている住民税からの控除額が56,000円程度であれば、しっかり税金の控除がされていることが分かります。
税金が控除されていなかったらどうする?
ふるさと納税での税金の控除が受けられていなかったら、どうしたらいいのでしょうか。
税金が控除されない原因はおもに3つに分けられます。その原因ごとの対応方法を紹介します。
控除上限額を超えてしまっていた
予定していたよりも収入が少なかったり、住宅ローン控除などで控除額が減ってしまったり、控除額シミュレーションでの入力ミスなどで、控除上限額を超えたふるさと納税をしてしった場合は修正のしようがありません。
上限額を超えてしまった分は自己負担となります。
申請時などに自分にミスがあった
必要書類の添付漏れや記入ミス、申請忘れのような自分のミスが原因で税金が控除されていなかった場合、確定申告をすることで控除を受けることができます。
すでに確定申告をしていても、5年以内であれば修正申告することが可能です。
ワンストップ特例制度の申請を出した自治体にミスがあった
可能性としては低いのですが、ワンストップ特例制度の申請を受け付けた自治体側の手続きミスも考えられます。実際に、過去にはそのような事例もありました。
税金が控除されない原因が他に考えられない場合には、寄付先の自治体に問い合わせてみるのも方法の1つです。
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