住宅ローンの支払いは長期にわたります。
その返済期間中に、家庭や生活の環境が変わったり、想定外のことが起こったりしてローンの支払いが困難になることもあり得るはずです。
住宅ローンを滞納して支払えなくなったら、どのようにしたらいいのでしょうか。
住宅ローンが払えなくなる理由
住宅ローンが払えなくなる理由をすべて挙げることはできませんが、ざっくりと次の3つに分けられます。
収入の減少
住宅ローンの支払いが困難になる理由として多いのが、収入の減少です。
会社が倒産したり、解雇されたりすることで失業するケース、職は失わなくても業績悪化や転職をきっかけに収入が下がるケース、病気やケガで仕事ができなくなくなるケース、結婚・出産・離婚などによって収入が減るケース、社会保障制度の変化で給付や控除が受けられなくなるケースなどが考えられます。
支出の増加
支出が増えることで、住宅ローンが払えなくなるケースも考えられます。
子どもたちの成長に伴う教育費の増加、病気やケガによる医療費の増加、物価の上昇による支出アップ、税制や社会保障の改正による負担増、親への援助や介護費用の発生、災害や事故や犯罪による被害など、様々な理由が挙げられます。
金利の上昇
住宅ローンを変動金利で契約している場合、金利の上昇によって返済額が上がる可能性があります。
元利均等返済の変動金利であれば、返済額が急激に上がらないように5年ルールや125%ルールもありますが、家計に余裕がないと住宅ローンの支払い継続は困難nになります。
住宅ローンが払えなくなって滞納が続くとマイホームは競売に
住宅ローンが払えなくなり、滞納を続けると最終的にいたるのはマイホームの競売です。
競売に至る流れを見てみましょう。
住宅ローンの返済ができずに滞納するようになると、金融機関から連絡や督促が来るようになります。
それでも返済ができない状態が半年ほど続くと、金融機関からは住宅ローンの一括返済を求められます。
月々の返済をできない人が一括返済などできるわけもないので、保証会社が代位弁済(立て替えて金融機関に返済すること)を行います。
ここから先の債権者は、金融機関ではなく保証会社です。
保証会社は担保となっているマイホームを競売にかけるように裁判所に申し立てます。
裁判所は競売にかけるために住宅を差し押さえ、調査などを行います。
この時点でもまだマイホームに住むことはできますが、すでに住宅の所有権はありませんので、勝手に売却することも不可能です。
そして、競売が行われて落札されればもうそこに住むこともできないため、最長でも2ヶ月以内には住宅から出ていかなくてはなりません。
競売の落札金額はすべて住宅ローンの返済に充てられますが、それでも住宅ローンが完済できないケースがほとんどです。
その場合、競売でマイホームを失った後でも返済を求められます。
競売にかけられるデメリット
競売物件の落札価格は市場価格の7割程度と言われています。
相場よりもかなり安い価格で売却されてしまうのです。
また、競売にかけられると情報サイトや新聞などに物件の詳細な情報が掲載されます。
競売にかけられている事実が公開されるため、周囲にも知られてしまう可能性があります。
住宅ローンが払えなくなっても競売を避ける方法
競売だと安い価格で売却され周囲にも知られてしまうため、できるかぎり避けたいところです。
住宅ローンを滞納してしまっても、競売しか道がないわけではなく、任意売却という手段もあります。
任意売却であれば競売よりも高い価格で売却できる可能性が高く、周囲に知られる心配も不要です。
住宅ローンが払えなくなったときのNG行動
住宅ローンの支払いが困難になった時のNG行動には次のようなものがあります
金融機関からの連絡を無視する
住宅ローンの滞納があると、電話や書面で金融機関から連絡があります。
返済に充てるお金がなかったとしても無視はせずに、必ずリアクションをしましょう。
まだ滞納してすぐの段階であれば、金融機関も滞納を解消できるように相談に乗ってくれるはずです。
キャッシングやカードローンで住宅ローンの支払いをする
住宅ローンの返済のために、キャッシングやカードローンを利用するのは愚策です。
キャッシングやカードローンの金利は、住宅ローンよりはるかに高く、雪だるま式に増えていきます。
一時的にお金がなく、あとで入る見込みがあるなら、まずは借入先の金融機関と相談しましょう。
生命保険の保険金で支払う
加入している生命保険や住宅ローンの団信の保険金で、残債を返済するようなことはやめてください。
家族のために家を残したとしても、あなたの命を犠牲にしていては家族が喜ぶわけがありません。
住宅ローンが払えなくなる前に家計の見直しを
住宅ローンの滞納はできる限り避けるべきです。
家計が苦しくなってきたと感じたら、住宅ローンの返済ができているうちに家計の見直しをすべきです。
返済が滞ってからよりも、返済が滞る前の方が選択肢ははるかに多くあります。
具体的な見直しとしては、生命保険の見直し、電力会社の乗り換え、住宅ローンの借り換え、金融機関との返済計画の見直しなどが挙げられます。
住宅ローンの借り換えは100万円以上の節約につながることもあるので、家計のやりくりに困っていない人でも一度は検討してみるのがおすすめです。
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