車の任意保険は「任意」となっているので、入らなくても構わないと思っていませんか。
任意保険に未加入だと、事故に遭ったときに悲惨なことになるかもしれません。
この記事では、任意保険について説明し、未加入のデメリットやリスクについて説明していきます。
自動車保険は2種類ある
まずは、自動車保険についての説明です。自動車保険には、自賠責保険と任意保険の2種類があります。
2つの保険の違いを見ていきましょう。
自賠責保険
自賠責保険とは、自動車損害賠償責任保険の略です。
すべての自動車(原動機付自転車を含む)は、この自賠責保険に加入していないと公道を走ることができません。
強制保険とも言われ、加入が義務付けられているのも特徴です。
車であれば車検時に自賠責保険の保険料も払い、自賠責保険未加入だと車検も通りません。
自賠責保険で補償されるのは、対人の死亡・後遺障害・傷害のみです。対物の補償はありません。
自賠責保険未加入のまま運転をすると、たとえ事故を起こしていなくても、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
さらに違反点数が6点なので、即免許停止です。
任意保険
自賠責保険は強制加入なのに対して、任意保険は加入が義務ではなく個々の意志に任されています。
自賠責保険の補償は対人に対してのみで、さらに限度額もあるため、その不足分を補うのが任意保険です。
任意保険はあくまでも自賠責保険の上乗せ補償なので、任意保険でいくら手厚い補償に加入したとしても、自賠責保険への加入は必須です。
*一般的に自動車保険と言えば、任意保険のことを指すことが多いのですが、自賠責保険と明確に区別するために、この記事内はすべて任意保険で統一しています。
任意保険未加入車の割合
自賠責保険は加入義務があるためすべての車が加入しているはずですが、任意保険は任意なので加入していない車もあるはずです。
任意保険に加入していない車の割合はどれくらいでしょうか。
損害保険料率算出機構が2024年に発行した『自動車保険の概況(2023年度)』によると、任意保険(共済も含む)に加入している車両は全国で88.4%です。
つまり未加入車は11.6%、9台に1台は任意保険に加入していません。
この保有車両数には、ナンバープレートは付いているけど全然乗らない車も含まれてはいますが、それを考慮しても任意保険未加入車は結構多いのが現状です。
任意保険未加入のデメリットとリスク
任意保険未加入で事故を起こすと、自賠責保険からの補償しかありません。
自賠責保険には限度額があり、死亡3,000万円・後遺障害4,000万円・傷害120万円が限度です。
交通事故で相手が亡くなったり、後遺障害が残ったりした場合の賠償額はかなり高額になることがあります。
特に被害者が若い人や高収入の人だと1億円以上になることもあり、過去には5億円を超える賠償判決例もあります。
高額賠償判決例
賠償額(万円) | 態様 | 被害者の年齢 | 被害者の職業 |
52,853 | 死亡 | 41 | 開業医 |
45,381 | 後遺障害 | 30 | 公務員 |
45,375 | 後遺障害 | 50 | コンサルタント |
45,063 | 後遺障害 | 19 | 大学生 |
43,961 | 後遺障害 | 58 | 専門学校教諭 |
被害者が亡くなってしまい賠償額が1億円だとすると、自賠責保険からの3,000万円を差し引いた7,000万円は、すべて自分で払わなければなりません。
また、自賠責保険に対物保障はないため、物損に対しては全額が自己負担です。
物損でもこれまでに1億円以上の賠償判決があります。
自分は事故なんか起こさないと思っている人もいるかもしれませんが、どんなにテクニックがあるドライバーがいくら気を付けていても、交通事故を完全に防ぐことは不可能です。
自分にほとんど非がなく運が悪いような状況でも、賠償が必要になるケースはあります。
任意保険に加入しないで車を運転するのは、一瞬で数千万円から数億円の賠償を抱えるリスクと隣り合わせということです。
それだけの賠償額を簡単に支払える人はごく少数ですから、たいていの人は生活が破綻し、悲惨なことになります。
任意保険の加入は義務ではないがマナー
任意保険への加入は義務ではありませんが、加入していないと自分はもちろん周りにも経済的に迷惑をかける可能性があります。
残念ながら、任意保険に加入していない人が賠償をせず、被害者が泣き寝入りするケースもあります。
車を運転しているかぎり事故のリスクはつきものですが、もし事故を起こしてしまったら、それに対して賠償する責任も果たすべきです。
何かあっても賠償できないと分かりながら、車を運転するのは無責任な行動です。
自賠責保険だけでは不十分なケースも多々あるので、任意保険への加入は、ドライバーとしての責任でありマナーでもあると言えます。
任意保険でもすべての補償が必要なわけではない
任意保険へ加入すると言っても、すべての補償が必要なわけではありません。
任意保険は自賠責保険とは異なり、加入するプランを選べるので、自分に合った補償を選ぶことで保険料のムダをなくすことが可能です。
補償を削るとしたら相手への賠償部分ではなく、車両保険や弁護士費用特約のように自分が受ける補償を削減した方がいいでしょう。
相手への賠償は必須ですが、自分の補償は自分が我慢すればいいだけだからです。
一番保険料の安い任意保険に入る方法
任意保険に加入することが必要だと分かっていても、やはり保険料はできるだけ抑えたいのが本音です。
任意保険は同じ補償プランであっても、損害保険会社によって保険料は異なります。
自分の加入したいプランで複数社から見積もりを取ることで、一番安い任意保険を探すことができます。
また、等級が変わったり、保険料率が変わったりするので、毎年満期になる前に見直すことで、より安い任意保険に乗り換えることが可能です。
保険スクエアbang!を利用すれば、たった一度の情報入力で、複数の保険会社の見積もりを一括で請求することができますし、もちろん費用はかかりません。
車の維持費は高すぎるので、保険スクエアbang!を使って賢くムダをなくしていきたいですね。
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