自動車保険(任意保険)は万が一の事故に備える大切な補償ですが、契約途中で解約をすることも考えられます。
携帯電話や光回線では、契約途中に解約すると違約金がかかるケースもありますが、自動車保険はどうなのでしょうか。
この記事では、契約期間の途中で自動車保険を解約すると違約金が必要なのか、また解約時の払戻金や注意点について解説していきます。
自動車保険を契約途中で解約するケース
自動車保険を契約途中で解約する理由は人それぞれです。
- 他社の自動車保険に乗り換えるため
- 仕事や学業などで海外に行くことになり車を手放すため
- 高齢になり免許返納を返納するため
- 事故や災害で廃車となったため
- 車を維持するのが経済的に難しいため
- 生活スタイルの変化で車を使わなくなったため
いろいろな理由が考えられますが、例を挙げて見てみると、多くの人が人生の中で1度や2度は経験しそうな気もします。
自動車保険を契約途中で解約しても違約金はかからない
自動車保険は契約途中に解約しても、違約金が請求されることはありません。
これは1年契約だけでなく、3年契約などの長期契約でも同様です。
自動車保険には、通信会社のような〇年縛りというものがないので、どのタイミングで解約しても違約金の心配は不要です。
自動車保険を契約途中で解約すると払戻金はある?
自動車保険を契約途中で解約した場合、払戻金があるケースとないケースがあります。
払戻金の有無には、保険料の払い方が関係してきます。
保険料の払い方が月払(分割払い)のケース
自動車保険の保険料を毎月支払う月払だと、解約しても払戻金はありません。
保険料を支払ったばかりで、まだ何日か補償期間が残っていたとしても、基本的に保険料の日割り計算はないため1円も戻ってこないのです。
保険料の払い方が年払(一括払い)のケース
自動車保険の保険料を年払で支払っていると、解約時に未経過分の解約払戻金が戻ってくる可能性があります。
とはいえ、未経過分がまるまる戻ってくるわけではありません。
1年契約の自動車保険をちょうど半年で解約したとしても、解約返戻金は年払保険料の半分以下です。
解約払戻金の計算には、短期率というものが使われます。
短期率は保険会社によって異なりますが、半年(6ヶ月)の短期率は70%に設定されている会社が多いようです。
短期率70%だと、残りの30%が解約払戻金として戻ってきます。
自動車保険の途中解約での注意点
自動車保険を中途解約する際の注意点を見てみましょう。
乗り換え以外の解約では中断証明書をもらおう!
乗り換え以外の理由で自動車保険を解約する際には、中断証明書をもらっておいた方がいいです。
中断証明書とは、しばらく自動車保険に加入していなくても、10年以内であれば以前の等級から契約を再開するための書類です。
近いうちに自動車保険に再加入する予定の人はもちろん、自動車保険に再加入する予定のない人も、とりあえず中断証明書をもらっておくことをおすすめします。
10年間でどのような変化があるか分かりませんし、自分が運転することはなくても同居の家族が車を使う可能性もあるからです。
ちなみに、中断証明書の発行は無料でしてもらえます。
乗り換えの場合は解約するタイミングに注意
他社の自動車保険に乗り換えるために、契約途中で解約する場合には、解約のタイミングが重要です。
新しい保険の効力が発生する始期日と古い保険の解約日を同じ日にして、手続きを行いましょう。
新しい保険を先に契約してしまうと、補償が重複してムダに保険料を払うことになります。
一方で、古い保険を先に解約してしまうと、補償がない無保険の期間ができてしまいます。
無保険期間中に事故を起こしても、補償はまったく受けられないのでとても危険です。
無保険期間を作るのは避けましょう。
また、古い保険の解約から新しい保険の始期日までの間が8日以上空いてしまうと、これまでの等級を引き継ぐことができなくなってしまいます。
20等級などの高い等級を引き継げず、再度6等級からの契約になると、割引率が大きく下がり保険料は跳ね上がるので要注意です。
契約途中の乗り換えは等級で少し不利に
自動車保険の等級は、無事故で1年過ごせば1つ上がります。
しかし、契約途中で乗り換えると、次に等級が上がるのは乗り換えから1年間無事故だったときです。
つまり、乗り換え前の1年未満の無事故期間はリセットされてしまうのです。
逆に乗り換え前に事故で保険を使っていた場合は、乗り換えと同時に等級が下がります。
契約途中での乗り換えだと、等級が上がるのは遅くなり、等級が下がるのは早くなるため、もうこれ以上等級が上がらない20等級で無事故の人以外は、少し不利になってしまいます。
自動車保険を乗り換えるなら満期に合わせるタイミングがベスト
自動車保険を乗り換えるなら、手間はラクでリスクも少ない満期のタイミングがベストです。
保険料がかなり節約できるとか、今の保険会社にはない特約が今すぐ必要とか、よほどのことがないかぎりは、満期まで待って乗り換えた方がいいでしょう。
満期の2ヶ月くらい前に満期のお知らせが届くので、そのお知らせが届いたタイミングで見直しを検討するのが分かりやすくておすすめです。
自動車保険の見積もりを複数社から取り寄せることで、保険料を下げ、車の維持費を節約することができます。
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