トラブルが多い生命保険の転換の注意点と判断する3つのステップ | スマネジ+

トラブルが多い生命保険の転換の注意点と判断する3つのステップ

生命保険の見直しで保障内容を変えるにはいくつかの方法があります。そのうちの一つが転換という方法です。

転換すると良さそうに感じることもあるのですが、実はデメリットが多くてトラブルになることも多い制度です。

今回は、生命保険の転換の注意点と、転換をするべきか迷った時の判断方法についてくわしく解説していきます。

生命保険の転換とは

生命保険の転換とは、一言で言うなら「保険の下取り」です。これまで加入していた保険の積立金を下取りにして、新たな保険に加入することです。

他の保険に入り直す「乗り換え」と似ていますが、乗り換えの場合は解約した古い保険の解約払戻金を受け取ることができます。一方の転換だと解約払戻金を新しい保険につぎ込む形になるので、解約払戻金を受け取ることはできません。

転換のメリット

最新の保障に切り替えることができる

転換では加入中の保険を新たな保険に切り替えるので、最新の保障を持つことができます。今の自分に必要な保障を持てるようになるのは、転換のメリットと言えます。

当面の保険料を抑えられることがある

転換をすると、これまで加入していた保険の積立金を新契約の保険料に充てることになるので、支払う保険料を抑えることもできます。

お金がかかる時期で保険料を減らしたい人にとって、当面の保険料を抑えられるのはありがたいことです。

転換の注意点

転換は同じ保険会社の保険でしかできない

転換制度が利用できるのは、同じ生命保険会社の保険のみです。

様々な保険会社の保険を扱っている乗合代理店であっても、A生命保険会社の保険からB保険会社の保険への転換をすることはできません。

ほとんどのケースで予定利率は下がる

生命保険には予定利率というものがあります。保険会社は預かった保険料を運用して、どれくらいの利益を出せるか見込みを立てますが、それが予定利率です。予定利率が高いほど保険会社は運用で利益が出るので、契約者が支払う保険料は少なくなります。

バブル期には6%台まであった予定利率も今では1%未満です。生命保険の予定利率はバブル崩壊後から下がり続けています。

2022年現在、転換で予定利率が上がることはまずないはずで、ほとんどの場合に予定利率は下がってしまいます。つまり、転換すると予定利率の面では不利になるということです。

実質の保険料はたいてい上がっている

転換をすると保険料が今よりも下がったり、保険料が同じくらいでも内容がよくなったりすると感じることがあります。

それは転換によって、これまでの契約の積立金を下取りしているからです。下取り分を除いた実質の保険料は、転換前の契約よりも上がっていると思ってほぼ間違いないでしょう。

転換利用時の年齢と保険料率が適用される

転換をして加入する新たな契約は、転換時の年齢と保険料率が適用されます。生命保険の保険料は一部の例外を除けば、年齢とともに上がっていきます。

また、さきほど説明したようにバブル崩壊後は予定利率が下がっており、それに伴って保険料も高くなっています。転換前の契約からの年月が経っているほど、年齢も保険料も高くなってしまう点には注意が必要です。

デメリットが分かりにくくトラブルになりやすい

転換は、保険の下取り価格はいくらなのか、実質の保険料がいくらなのか、予定利率はどのように変わるのかが分かりにくくなっています。

バブル崩壊後に予定利率が下がって逆ザヤに苦しんだ保険会社は、転換のデメリットが分かりにくいことを利用し、予定利率の低い保険への切り替えが大量に行われ問題になりました。

本来なら保険会社の営業社員がデメリットや注意点をくわしく説明する義務があるのですが、今の時代でも、分かりやすく説明してもらえることは多くありません。そのため転換時の説明が不十分でトラブルになることは現在でもたくさんあります。

転換をするべきか判断する3ステップ

転換は基本的にはデメリットが多いので、あまりおすすめはできませんが、場合によっては転換をしたいと思うかもしれません。保険会社の職員から転換を勧められた時には、何を基準に判断したらいいのでしょうか。

転換をするかどうかを判断するためのおすすめの方法には、3つのステップがあります。

ステップ①転換を利用しないプランの設計書を出してもらい比較する

最初のステップは、もう1つの設計書を出してもらうことです。その設計書のプランは、転換して加入することを提案されたのと同じプランで、かつ転換を利用しない新規加入の場合の設計書です。

この2つの設計書を見比べることで、転換によってどれだけ保険料が割り引かれているかが分かります。

ステップ②転換を利用しないプランでも新規で加入したい保険かどうかを考える

転換を利用した保険料が2万円だとしたら、新規で加入する場合の保険料は3万円とか4万円になるかもしれません。

まずは転換のことを脇に置き、新規の高い保険料の設計書を見てもその保険に加入したいかどうかを考えましょう。それでも加入したいと思うのなら、転換を検討する価値があります。

転換の割引がなければ加入しない保険なら、転換を利用して加入する価値もありません。今の保険を継続するか、他の保険に乗り換えて解約払戻金を受け取った方がいいでしょう。

ステップ③第三者の意見を聞いてみる

新規でも加入したいと思うのなら転換を検討する価値はありますが、イコール転換した方がいいわけではありません。

転換を勧めてくる営業社員はデメリットをあまり話してくれないかもしれないので、保険に詳しい第三者のアドバイスを聞いた方がいいです。自分では気づかなかった点に気付かせてくれるかもしれません。

保険に詳しい知り合いがいなければ、無料相談してくれるファイナンシャルプランナーの意見を聞いてみましょう。ファイナンシャルプランナーなら、他社を含めたよりよい保険の情報や転換以外のいい方法も教えてくれるはずです。

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