生命保険に入るなら大手が安心!?生命保険会社の賢い選び方 | スマネジ+

生命保険に入るなら大手が安心!?生命保険会社の賢い選び方

万が一のために加入する生命保険。その生命保険を扱う保険会社が倒産したら、シャレになりません。保険会社の倒産を避けるためには、やっぱり大手の保険会社の生命保険に加入した方がいいのでしょうか。

この記事では、生命保険会社の賢い選び方をファイナンシャルプランナーの私がくわしく解説していきます。

生命保険会社が倒産することもある

生命保険会社も民間企業です。経営に万全を期しているとはいえ、絶対につぶれないと保障されているわけではありません。保険会社であっても倒産することはありますし、実際にこれまでに倒産した保険会社もあります。

下の表は、戦後に倒産した国内の生命保険会社です。

 破綻した年 破綻した生命保険会社
1997年日産生命
1999年東邦生命
2000年千代田生命
2000年第百生命
2000年協栄生命
2000年大正生命
2001年東京生命
2008年大和生命

生命保険会社が倒産したらどうなる?

保険会社が倒産して保険契約もすべて消滅してしまっては、保険の意味をなしていません。そのため、生命保険会社が倒産してしまっても、保険契約はなくならずに継続することが可能です。

生命保険会社が破綻すると、他の保険会社が保険契約を引き継ぎます。引き継ぐ保険会社が現れないときは、生命保険契約者保護機構またはその子会社が引き継ぐことになっています。

さきほどの一覧にあった、戦後に倒産した生命保険会社8社も、すべて他の保険会社が保険契約を引き継いでいます。

生命保険会社が倒産すると損する可能性が高い

「倒産しても保険契約が引き継がれるなら安心!」と思うかもしれませんが、実は注意しなければいけない点があります。保険契約が引き継がれると言っても、これまで通りの契約内容がそのまま引き継がれるわけではないからです。

引き継がれた保険契約には、次のような変更をされる可能性があります。

責任準備金の削減

責任準備金とは、将来の支払いのために積み立てているお金です。責任準備金の9割は補償されますが、1割まではカットされる可能性があります。

責任準備金が1割カットされると、保障は1割以上の減額になることもあります。特に貯蓄性の高い終身保険や養老保険などは、削減幅が大きくなるので要注意です。

予定利率の引き下げ

予定利率は、生命保険会社が定めた保険の利回りのようなものです。通常は契約時の予定利率が続くのですが、保険会社が倒産して引き継がれた場合は、予定利率を引き下げられることがあります。

予定利率が下がると、保障額等も少なくなってしまいます。

一定期間の解約払戻金の減額

保険会社が倒産すると、慌てて保険契約を解約する人が殺到するかもしれません。それを防ぐために、生命保険会社が倒産した後の一定期間(最長10年)は、解約払戻金が削減となることもあります。その削減率は最大で20%です。

保険会社が倒産すると、保険契約はなくなりませんがこのように損をしてしまう可能性が高いので、やはり倒産リスクの低い保険会社で契約したいところです。

大手生命保険会社が安心とはかぎらない

やっぱり大手の生命保険会社が安心なのでしょうか。

答えは「NO」です。確かに大手には体力があるかもしれません。

しかし、ニュースを見れば分かるように、大きな会社であっても倒産する会社はあります。いくら大手で有名な保険会社であっても、それだけで安心できる材料にはなりません。

ネームバリューだけで保険会社を選ぶのは、危険な行為です。

生命保険会社の賢い選び方

それではどのようにして、生命保険会社を選べばいいのでしょうか。生命保険会社の選び方を2つ紹介します。

生命保険会社の健全性をチェックする

保険会社の決算書や財務内容を見て、健全性をチェックするのは至難の業です。会社の健全性をチェックするなら、プロが出している指標を見るのがおすすめです。生命保険会社の健全性をチェックできる指標は2つあります。

格付け

S&P(スタンダードアンドプアーズ)やムーディーズといった大手格付け会社は、日本の生命保険会社の格付けも発表しています。S&Pだと最高評価は「AAA」で、「AA」、「A」、「BBB」、「BB」、「B」と下がっていき、「BBB」までが投資に適していると判断されています。

格付けは格付け会社によっても判断が異なるので、複数の格付けをチェックするのがおすすめです。

ソルベンシーマージン比率

ソルベンシーマージン比率も、生命保険会社の健全性を測る指標です。

ソルベンシーマージン比率では、想定外のリスクに対して どれくらいの支払い余力があるのかを表します。数字は%で表され、数字が大きいほど支払い余力が多くて健全だと評価できます。

監督官庁である金融庁から行政指導が入るのは、ソルベンシーマージン比率が200%を下回ったときです。ただ、過去に破綻した生命保険会社のソルベンシーマージン比率は、300%~400%のケースもあったとも言われているので、もう少し上の水準である方がいいかもしれません。

格付けもソルベンシーマージン比率も絶対的なものではありませんが、健全性を示す1つの目安としてとても有効です。

営業社員をチェックする

格付けやソルベンシーマージン比率などの指標以外で見ておきたいのは、保険会社の営業社員です。営業社員の外見や服装ではなく、コンプライアンスをどれだけ遵守しているかを見ましょう。

極端な例ですが、告知義務違反を平気で勧めてくるような営業社員がいる保険会社は避けた方が無難です。その営業社員1人の問題かもしれませんが、保険会社としてコンプライアンスを徹底できていない可能性もあります。

その営業社員が保険会社の社員ではなく、代理店の営業であっても同様です。代理店に対しての指導が不足しているのかもしれません。

今の時代は、SNS等で誰もが情報発信できるので、コンプライアンスをないがしろにすると、企業として致命傷を負う可能性があります。ちょっとしたことでも、企業の存続にかかわる可能性は否定できません。

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