ふるさと納税は、2,000円の自己負担で地域の特産品などを返礼品として受け取れる人気の制度で、利用者は年々増えています。まだしたことがないけど、始めてみたいと興味を持っている人もいるはずですが、どんな人がふるさと納税の対象なのでしょうか。
この記事では、海外に住んでいる日本人や、日本に住む外国人のふるさと納税について解説していきます。
ふるさと納税は誰でもできる
ふるさと納税とは自治体への寄付です。自治体への寄付ですので、ふるさと納税のできる人に条件などはありません。海外在住者や在留外国人もふくめ誰でもふるさと納税をすることができます。
ただ、ふるさと納税のメリットを受けられるかどうかは別の話です。
海外在住者のふるさと納税の注意点
海外在住者もふるさと納税をすることはできますが、気を付けなければならない点があります。
日本で所得税や住民税を払っていなければ税金の控除を受けられない
ふるさと納税は、自身の控除上限額の範囲内であれば、2,000円のみの自己負担で様々な返礼品を受け取ることができます。2,000円を超えた分は所得税や住民税から控除してもらうことができるためです。
しかし、それらの税金を支払っていなければ、控除のしようがありません。海外在住者で日本の所得税や住民税を支払っていない人は、ふるさと納税をしても税金の控除を受けることができません。
つまり、全額自己負担で自治体に寄付をするだけですので、ふるさと納税のメリットがありません。
出国する年はふるさと納税をしない方がいい
住民税を支払うのは、1月1日の居住地が日本国内にある人のみです。12月までに海外移住する場合は、翌年の住民税がかかりません。ふるさと納税の控除は、翌年支払う住民税から控除されます。
12月までに出国することが決まっている人は、来年の住民税から税金の控除を受けられないので、ふるさと納税をしない方がいいでしょう。
ワンストップ特例制度の申請期限は翌年1月10日まで
ワンストップ特例制度の申請には期限があります。翌年1月10日までに寄付先の自治体に書類必着です。
海外から送ると到着までに日数がかかることと、そもそも海外の郵便はあまり信頼できないところも結構あります。
最近ではアプリ上で申請が完結できるケースも増えていますが、郵送する場合には注意が必要です。
返礼品の送付先
海外在住者の場合、寄付先の自治体から贈られる返礼品の受け取りにも苦労します。
わたしの知るかぎり、返礼品を海外に送ってくれる自治体はありません。海外だと送料も高くなるのですから仕方ありません。
返礼品を受け取れないのでは、ふるさと納税をする意味もほとんどなくなってしまいます。
海外在住者におすすめの返礼品の受け取り方
親族や知人に受け取ってもらう
ふるさと納税の返礼品は、自宅以外に送ってもらうことが可能です。日本国内に住む親族や知人の家を届け先に指定して、返礼品を代わりに受け取ってもらう方法があります。
返礼品を贈り物にする
ふるさと納税の返礼品を自分で受け取らず、日本国内に住む親族や知人へのプレゼントにすることもできます。自分で返礼品を使うことはできませんが、相手に喜んでもらえるプレゼントにするのも1つの方法です。
電子クーポンなどを返礼品に選ぶ
ふるさと納税の返礼品と言えば、肉、魚、米、果物などの食べ物がイメージされがちですが、食べ物以外にも様々なものがあります。
自宅に送ってもらう必要のない電子クーポンなどを返礼品に選べば、海外に住んでいても問題なく受け取れます。
在留外国人のふるさと納税の注意点
次は在留外国人がふるさと納税をする場合の注意点です。
日本で所得税や住民税を払っていなければ税金の控除を受けられない
在留外国人にかぎらず誰でも同じですが、所得税や住民税を払っていない人は、ふるさと納税をしても税金の控除を受けることはできません。また、払っている所得税や住民税が少額の人は、控除上限額も少ないのでふるさと納税のメリットはあまりないかもしれません。
海外在住者のところでも説明した通り、年内に帰国する予定がある人も税金の控除が受けられないので、ふるさと納税はしない方がいいです。
税金の控除を受けるためには申告をしなければならない
ふるさと納税をして税金の控除を受けるためには、確定申告またはワンストップ特例制度の申請をすることが必要です。
確定申告は外国語用の書式もありますが、日本の税制を学ばなければなりません。
また、ワンストップ特例制度の申請書類は、外国語用の書類を見たことがありません。記入する欄はそれほど多くないのですが、日本語を理解できない人にとっては大変な苦労になるはずです。
申請時にはミドルネームや通称にも注意
外国籍の人は、ミドルネームがあったり通称の使用が一般的だったりするケースも少なくありませんが、日本の申請書類や入力フォームには姓と名の欄しかありません。
正式な書類にはミドルネームも含めた正式な氏名を書かないと、税金の控除が適用されない可能性もあるため要注意です。
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