超低金利の現在は、住宅ローンの借り換えで大きく節約できるチャンスです。返済額を数百万円単位で削減できる可能性があります。
しかし、借り換えには手間と労力がかかり、必要書類も多岐にわたります。住宅ローンの借り換えに欠かせない書類の1つが、家の権利書です。
「えっ、家の権利書って何?」
「家の権利書が見つからないけど、どうしたらいいの?」
借り換えをしたいと思っていてもこのような疑問を持っている人もいるかもしれません。この記事では、家の権利書とは何か、家の権利書がないときはどうしたらいいのかを解説していきます。
家の権利書とは
家の権利書は移転登記されたときに法務局から交付される証明書で、正確には登記済証または登記済権利証と呼ばれます。
法務局から交付される書類と聞くと、登記簿と連想しがちですが、権利書と登記簿は異なる書類です。
権利書は移転登記が完了したことを証明する書類で、登記完了時にのみ交付されます。一方の登記簿は登記情報が載った書類で、法務局で誰でも発行してもらえる書類です。
平成17年以降は権利書ではなく登記識別情報通知
わりと最近に家を購入した人は、登記済権利証を受け取っていないかもしれません。法改正により、平成17年以降は登記済権利証ではなく、登記識別情報通知が交付されるようになったからです。
登記識別情報通知には、不動産番号や登記簿名義人のほかに、英数字12桁の登記識別情報が記載されています。この登記識別情報は重要な情報のため、シールまたは袋とじのようなもので隠されています。
借り換え時に権利書を提出するように言われたら、登記済権利証と登記識別情報通知のどちらでも問題ありません。
家の権利書はいつ使うの?
家の権利書を使うのは、家の売買や抵当権の設定をするときなどです。
権利書を提出することで、本人からの申し出であることを証明します。住宅ローンの借り換えでは、借り換える住宅ローンの金融機関が抵当権を持つことになるので、権利書が必要です。
権利書自体は滅多に使わない書類なので、どこにあるかも分からない人も多いかもしれません。
家の権利書がないときはどうする?
家中を探しても権利書が見つからないと再発行を考えるかもしれませんが、実はこの権利書は再発行ができません。登記完了時にしか交付されない貴重な書類なのです。
再発行できないと聞くと焦るかもしれませんが、権利書を紛失しても家の所有権を失うわけではありません。万が一、権利書が他人の手に渡っていても、印鑑証明書なしで売買などはできませんので、実印や印鑑証明書の管理をしっかりしていれば、慌てなくても大丈夫です。
権利書がなくても家の売買や抵当権の設定はできるので、もちろん住宅ローンの借り換えも可能です。
権利書がないと所有者本人からの申請かどうか分からないので、次の3通りのいずれかの方法を用いて本人確認を行います。
- 事前通知制度
- 資格代理人による本人確認情報の提供制度
- 公証人による本人確認
事前通知制度
事前通知制度は、登記申請を行ったのが所有者本人であることを、本人限定受取郵便を利用して確認する制度です。
「登記申請があったけど間違いないか」という旨の書類が法務局から本人限定受取郵便で送られてきます。その書類に署名と実印を押して、発送日から2週間以内に法務局に提出すれば、登記申請は完了です。
事前通知制度は費用がかからないのがメリットです。しかし、提出期限に間に合わなかったり、不備があったりすると登記申請が却下されてしまう点には注意しなければなりません。
資格代理人による本人確認情報の提供制度
資格代理人とは、具体的には司法書士や弁護士などのことです。資格代理人による本人確認情報の提供制度は、司法書士や弁護士などの代理人が権利書の代わりになる書類を作成します。
本人確認手続きを代理人に委託してしまうので、3つの中で一番簡単な方法です。事前通知制度のように日数もかかりません。
一方で、資格代理人に手数料を支払う必要がある点がデメリットです。支払う手数料は、3万円程度から高額だと10万円以上になるケースまであります。
公証人による本人確認
公証役場に行って、公証人の立会いの下で登記申請書などを作成することで、家の所有者本人であることを認証してもらうことができます。公証人からの認証を受けた書類を法務局に提出すれば、権利書がなくても登記申請は完了です。
認証手数料は3,500円なので、司法書士などの資格代理人に払う手数料よりはだいぶ安く済みます。ただ、平日の日中に公証役場まで行かなければならないことは、平日に働いている人にとってはネックかもしれません。
住宅ローンの借り換えにはアドバイザーがいた方がスムーズ
権利書がないときだけでなく、住宅ローンの借り換えは慣れない手続きのため、分からないことがたくさんです。分からないことが多いとストレスを感じますし、調べることが面倒くさくなります。
ストレスなくスムーズに借り換えを行いたいのであれば、住宅ローンのプロに助けてもらった方がいいでしょう。
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