「給料が少ないから家計が厳しい」、「収入が上がればもっと貯金できるのに」と思っていませんか。
「はい」と答えた方は、今すぐその考えを捨てましょう。
なぜなら、「収入が上がればもっと貯金できるのに」というのは、収入が少ないことを貯金ができていないことの言い訳にしてしまっているだけで、改善する気がない、つまり本気で貯金をしようと思っていないからです。
その考えを改めないかぎり、収入が増えたところで貯金は増えず、苦しい家計から抜け出すことはできません。
今のあなたに必要なのは「収入が上がればもっと貯金できるのに」ではなく、「今の収入でも貯金するために何をしたらいいのか」という考えです。
この記事では、お金を賢く管理するために本気で家計を改善したい人が今すぐ見直すべき5つの支出を紹介していきます。
お金を賢く管理することが重要な理由
そもそもお金を賢く管理することがなぜ重要なのでしょうか。まずはじめに、お金を賢く管理することが大事な理由を説明します。
お金を管理できないと悲惨なことに
世の中では、お金を管理することよりもたくさん稼ぐことの方がもてはやされますが、高収入でもお金を管理できずに苦しんでいる人がたくさんいます。億単位で稼いだ芸能人や一流スポーツ選手が借金に苦しんだり、自己破産をしたりしたニュースを見たことがありませんか。
その反面、低収入でもしっかりお金を管理して必要な貯金ができている人もたくさんいます。
もちろん収入は多いに越したことはありませんが、しっかり管理できなければお金はいくらあっても足りませんし、悲惨な結果を招く原因にもなります。
時間と同じくお金も有限だから管理能力が必要
わたしたちに与えられた時間は1日24時間です。限られた時間の中で、自分のしたいことが全てできるわけではありません。
そのため、自分にとって必要なことや価値のあることに時間を使えるようにスケジュールを立てます。
使える金額の差はあるにしろ、お金も時間と同じく有限です。
あれもこれもと好きな物を全て買うことはできません。ですので、自分のお金をしっかりと管理して自分にとって必要なものや価値のあるものにお金を使うことは、よりよい人生を歩むためにとても重要なテクニックです。
毎日の小さな節約よりも大きな固定費を見直す方が効果的
家計を改善すると聞くと、生活費を切り詰めたり、電気をこまめに消したりすることをイメージしていませんか。10円安いトイレットペーパーのために隣町まで買い物に行っていると、時間をムダにし労力も大きくなってしまいます。
こういう節約は労力の割に見返りは小さく、たいてい長続きしません。
家計を改善するのに効果的なのは、金額の大きな固定費を見直してムダをなくす仕組み作りにあります。
見直しすることで節約効果が特に大きい支出は、次の5つの固定費です。
住居費を減らす方法
住居費は住まいに掛かる費用のことです。住居費の中でも割合が大きいのが、賃貸であれば家賃と管理費、マイホームであれば住宅ローンとメンテナンス費用です。
一般的に家賃や住宅ローンは、月々の支出の中で最も大きな割合を占めている支出なので、削減できた場合の効果は絶大です。
家賃を減らす方法
賃貸の場合、家賃を減らす方法は2つあります。
1つ目は家賃の安いところに引っ越す方法。
コロナ禍で在宅ワークが増えた今、東京から郊外へ転出する人が増えています。仕事が自宅でできるなら、あえて家賃の高い都心や駅前にいる必要もないかもしれません。都心から郊外へ引っ越すのなら家賃を毎月数万円減らすことができ、引越や初期費用を考慮しても節約できそうです。
実家で親と同居するという手もありますが、不便なことや不都合なこともあるでしょうから、いきなり同居するのではなく、しばらくお試しで同居してみてから検討するのがいいと思います。
家賃を減らすもう1つの方法は、今の家賃を下げてもらうように交渉することです。契約更新の時期がベストですが、それ以外の時でも交渉は可能です。
住宅ローンを減らす3つの方法
住宅ローンを減らす方法は3つあります。1つずつ見ていきましょう。
住宅ローンの繰り上げ返済
1つ目は住宅ローンの繰り上げ返済です。
繰り上げ返済はまとまった資金があればという条件付きですが、住宅ローンを減らす選択肢の一つです。
住宅ローンの繰り上げ返済は、早い時期の方が節約効果は高くなります。同じ100万円の繰り上げ返済でも、5年目にするのと10年目にするのとでは、5年目にする方が節約できる金額も大きくなります。
繰り上げ返済には、ローン完済を早める「期間短縮型」と、毎月の支払い額を減らす「返済額軽減型」の2つのパターンがあります。期間短縮型は総支払額がより少なくなるのでおすすめですが、子どもの教育費等で一時的に家計が厳しい場合は毎月の支払い額を抑える返済額軽減型を選ぶという考え方もあります。
住宅ローンの借り換え
2つ目の住宅ローンの借り換えは、住宅ローンを減らす最もポピュラーな方法です。
一般的には次の3つの条件のいずれかに当てはまると、住宅ローンの借り換えメリットが大きいと言われています。
- 現在の住宅ローン金利と借り換え後の金利差が1％以上
- 住宅ローン残高が1,000万円以上
- 住宅ローンの残りの返済期間が10年以上
最近では金利が0.3％台の住宅ローンや、全疾病保障付きの住宅ローンもあります。
住宅ローンの見直しは数百万円の節約になることもあるので、3つの条件に当てはまっていなくても、とりあえずシミュレーションだけはしてみましょう。
住宅ローンの金利を金融機関と交渉
住宅ローンを減らす3つ目の方法は、現在住宅ローンを契約している金融機関と交渉する方法です。
実際にわたしも過去に金融機関と交渉して変動金利0.825％の住宅ローンを、金利0.65％まで下げてもらうことができました。これにより総支払額は40万円ほど減り、住宅ローンの借り換えと同程度の節約につながりました。
金利を下げてもらうのは住宅ローンの借り換えよりも手続きがラクですし、手数料もわずかでしたし、一時的な出費がほとんど要らないので強くおすすめできる住宅ローンの削減方法です。交渉がうまくいくかは分かりませんが、試してみる価値はあると思います。
通信費を減らす方法
通信費には、固定電話の料金やスマホや携帯電話の料金、インターネット回線の料金が含まれます。
スマホや携帯電話がここまで普及した現在、固定電話は必要不可欠のものではなくなりました。固定電話を解約している世帯も少なくありません。固定電話があっても営業の電話ばかりで、大事な電話はスマホや携帯電話に直接かかってくることがほとんどでしょう。スマホや携帯電話で十分であるなら、固定電話を解約してしまうのも一つの方法かもしれません。
スマホや携帯電話は多くの通信会社が様々なプランを用意しているため、考えるのが面倒くさくいと感じますが、場合によっては年間で数万円、家族全員だと20万円以上も削減できることがあります。
インターネット回線もスマホや携帯電話同様、見直すのが面倒な固定費の一つです。契約期間などの縛りがあるとなおさらです。
ですが、このインターネット回線も見直しによって毎月の支払い額を大きく減らしたり、回線速度をアップさせたりすることが期待できます。
また、他のインターネット回線への切り替えを検討することで、契約中の通信会社から引き留めのためにポイントをもらえることもあります。過去にわたしも2万円分のポイントをいただきました。
保険料を減らす方法
生命保険は人生で2番目に高い買い物と言われます。
月々25,000円の保険料を30年間払った場合、総払込保険料は900万円にもなります。高級車が買える金額ですね。
もしも月々の保険料を5,000円削減できたら、30年間でトータル180万円も削減することができるので、保険見直しによる節約効果は高いです。
生命保険は、健康保険や社会保障制度の足りないところをカバーするものなので、健康保険や社会保障制度をよく知らないと見直しの判断ができません。
とはいえ、それを一から勉強するのは大変なので、そこはその道のプロであるファイナンシャルプランナーに教えてもらうのが一番簡単です。ただ、ファイナンシャルプランナーと言っても色々な人がいて、レベルの高い人や良心的な人ばかりではないので、そこは見極めが大事です。
車両費を減らす方法
車は金食い虫です。買う時はもちろん、維持するのにもお金がかかります。
そんな車両費の見直しは3段階で行います。
そもそも車自体が必要かどうかを検討
地方であればどこに行くにも車で、1人1台必要なんてこともあります。
でも交通網が発達している都会に住むなら、車以外の交通機関で代替できないか調べてみてください。自分の生活に本当に車が必要かどうか、今一度考えてみましょう。
マイカーが必要かどうかを検討
検討した結果、車が必要だという結論になったら、次はマイカーが必要かどうかを検討しましょう。生活に車が必要だとしても、マイカー以外の方法もあります。
タクシーやカーシェアリングでも必要を満たせるかどうか、また、その場合の金額シミュレーションをしてみましょう。
マイカーをもっと安く済ませる方法はないかを検討
それでもやっぱりマイカーが必要だとなった場合は、その費用を下げる方法を探します。
たとえば次のような方法です。
- 購入時に新車だけでなく中古車も選択肢に入れる
- 燃費の良い車に乗り換える
- 排気量の少ない車や軽自動車にする
- 近隣にもっと安い駐車場がないか調べる
マイカーは持つだけで固定費がかさむものなので、必要なければ持たない、必要だとしてもなるべく少ない費用で済ませるようにした方が家計的には安心です。
水道光熱費を減らす方法
電気・ガス・水道は生きるのに不可欠な生活インフラです。水道光熱費をなくすことはできませんが、料金を安くする方法はあります。
電気料金を減らす方法
電力自由化によって、今は電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。
どの電力会社と契約しようが送られる電気は全く同じですし、災害時に大手の電力会社でないと電気が止まるなんてこともありません。電力会社は積極的に切り替えるべきです。
なお、電力会社の切り替えは賃貸の方でも問題なくすることができます。
ガス料金を減らす方法
ガスには都市ガスとLPガスがありますが、どちらも電力同様にガス会社を選ぶことができます。
ただ、電力会社とは異なり、集合住宅で自分のところだけガス会社を切り替えることはできません。ガス会社の切り替えは、集合住宅全体での切り替えが必要になります。集合住宅でもガス会社を切り替えたいときは管理組合に掛け合うか、賃貸住宅なら大家さんに相談が必要です。
どちらにしても自分一人では限界があるので、同じ集合住宅に住む人たちと話し合って、ガス会社を切り替えたい人たち増やしていくことが重要です。
ガス会社の切り替えは集合住宅だとハードルが高いので、戸建住宅の方に向いている節約術と言えます。
水道料金を減らす方法
水道は住んでいる自治体もしくは地域の水道局と決まっているので、電気やガスのように他の会社へ切り替えることはできません。水道料金も水道局ごとに決まっていて、プラン変更等の選択肢はありません。
そんな水道料金を減らすには、水道料金の安い地域に引っ越すか、水道使用量を減らすしかありません。水道料金のために引っ越すのは現実的ではないので、水道使用量の削減について考えてみましょう。
こまめに蛇口を閉めたり、風呂では追い炊きをしたりして、日々節水を意識するのも大事ですが、それよりも勝手に節水になる仕組みづくりをする方が簡単でストレスフリーです。
特におすすめなのが、お風呂のシャワーヘッドの交換です。
初期費用として数千円かかりますが、水道料金は目に見えるように減っていくので、間違いなく元を取れます。過去にわたしも節約シャワーヘッドを実際に使って検証しています。
固定費の節約はバカにできない
住居費、通信費、保険料、車両費、水道光熱費を見直しすることで、年間数万円～数十万円の節約は可能です。長い目で見れば、数百万円～1千万円超の節約になることもあり、決してバカにできません。
そして、節約に取り組むなら少しでも早い方が効果も大きくなります。スマネジ+では固定費の見直しに有益な情報をどんどんアップしていきます。ぜひ皆さんの節約に役立ててください。
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