生命保険の支払い方法はいくつもあります。
月払いが一般的ですが、年払いを選択する人もいます。
それぞれの支払い方法の特徴と、年払いのメリットとデメリットをくわしく解説していきます。
支払方法の違いによるメリットとデメリットがよく分からない人は、最後まで読んでみてください。
生命保険の支払い方法
生命保険の支払い方法には、月払い、半年払い、年払い、前納、一時払いの5種類があり、それぞれの特徴は次のようになっています。
支払い方法 | 支払いのスパン | 保険料 |
月払い | 毎月払う | 割引なし |
半年払い | 半年に1度払う | 月払いより安い |
年払い | 年に1度払う | 半年払いより安い |
前納 | 数年分をまとめて払う | 年払いより安い |
一時払い | 全期間の保険料を1回で払う | 一番安い |
支払う保険料の総額は、まとめて支払うほど安くなります。
前納で全期間分をまとめて払うことを全期前納と言います。
全期前納は一時払いと似ていますが、未経過保険料は保険会社が預かっているので、解約したら未経過保険料は戻ってきますし、生命保険料控除も毎年対象になります。
一方で一時払いは保険料が一番安く済むのですが、解約しても未経過保険料はなく、生命保険料控除も初年度しか使えません。
一時払いの扱いがない保険も多くあります。
年払いのメリット
月払いの次によく選ばれている年払いのメリットを見てみましょう。
保険料の割引がある
年払いの一番のメリットは、保険料の割引があることです。
なぜ年払いだと保険料が安くなるのかと言うと、1年分をまとめて払うことで保険会社の事務コストを減らせるからです。
また、最初に1年分の保険料を支払うので、その分の運用益が出せるのも理由の1つです。
どれくらい安くなる?
年払いだと月払いに比べてどれくらい保険料が安くなるのか、気になるところだと思うので調べてみましょう。
今回はオリックス生命の人気の医療保険「キュア・ネクスト」の保険料を、30歳男性で比較してみます。
医療保険「キュアネクスト」入院給付金日額5,000円の30歳男性の保険料は、月払いで1,470円、年払いだと17,308円です。
保険料 | 年間保険料 | 月払いとの差額 | 割引率 | |
月払い | 1,470円 | 17,640円 | ー | ー |
年払い | 17,308円 | 17,308円 | -332円 | 約1.9% |
月払いで1年支払うと17、640円(1,470円×12ヶ月)なので、年間で332円(17,640円-17,308円)安くなっています。
割引率だと約1.9%(332円÷17,640円)です。
他のいくつかの商品でも計算してみましたが、割引率は1.6%~2.0%程度でした。
保険会社によっても多少の違いはあるでしょうが、年払いの割引率はおおよそ2%弱と考えてよさそうです。
ちなみに、今回計算したのは現在販売されている保険商品です。
今は低金利で保険の予定利率も低いですが、バブルの頃の予定利率が高かったころの保険だと、年払いでの割引率が5%を超えるものもあります。
返礼率が上がる
終身保険や学資保険のような貯蓄型の保険だと、年払いの方が返礼率は高くなります。
返礼率とは、払戻金を総支払い保険料で割ったものです。
例.合計200万円の祝い金を受け取る学資保険の返礼率
- 月払いの総支払保険料182万円 109.9% (200万円÷182万円)
- 年払いの総支払保険料179万円 111.7% (200万円÷179万円)
月払いでも年払いでも受け取る金額は同じですが、年払いは割引があって総支払保険料が減るため返礼率は上がります。
年払いのデメリット
まとまったお金が必要
年払いでは1年分の保険料をまとめて支払います。
それも初月に支払うので、ある程度まとまった資金が必要です。
家計がカツカツで余裕がないと、年払いを選ぶことはできません。
管理しにくい
毎月支払う金額が同じ月払いの方が、家計管理はしやすいはずです。
1年分の保険料を支払う時にお金がなくて支払えないなんてことがないように、年間を通して計画的に家計管理をすることが求められます。
古い保険だと未経過保険料が返ってこない
契約日が2010年3月までの古い保険だと、解約した場合の未経過保険料が戻ってきません。
たとえば、1月に1年分の保険料を支払い2月に解約したとしても、3月~12月までの10ヶ月分の保険料は返金されないということです。
ちなみに2010年4月に保険法の改正があったので、それ以降の保険に関しては未経過保険料の返金があります。
年払いが向いている人
保険料を少しでも節約したい人
デメリットはありますが、やはり年払いは月払いよりも保険料が安く済みます。
保険は長期にわたって掛けるものです。1年の割引では大したことがないと思うかもしれませんが、それが10年20年と積み重なると結構な額になります。
年2%の割引でも25年間続ければ、1年の50%、つまり半年分もの割引になります。
少しでも保険料を節約したいなら、年払いはおすすめの支払い方法です。
年単位でしっかり家計管理できる人
年払いだと1年に1度まとまった保険料を支払うので、年単位での家計管理が重要です。
月単位のやりくりで考えていると、年払い保険料を支払えなくなってしまう可能性があります。
お金があるとすぐに使ってしまう人に年払いは向いていませんが、年単位での家計管理ができる人にはおすすめです。
余裕資金のある人
ある程度の余裕資金があれば、年払いでまとまった保険料を支払うこともあまり問題にはならないでしょう。
逆に貯金が30万円しかないのに、年払い保険料で20万円も支払うのは精神的にもきついはずです。
支払い方法は途中で変えることもできるので、余裕資金がない人はある程度の貯金を作ってから年払いに変更することを検討するといいでしょう。
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