住宅ローンの返済は数十年に渡るのが普通です。ずっと住むつもりで購入しても、途中で事情が変わって、自宅を貸し出したいと思うことがあるかもしれません。
「住宅ローンの返済中に賃貸に出しても問題ないの？」
「賃貸に出すには、ローンの借り換えが必要？」
このような疑問を解決するため、住宅ローンの返済中の自宅を賃貸に出してOKなのか、貸し出すためには借り換えが必要なのかどうかを解説していきます。
住宅ローンは本人の居住が前提
住宅ローンの融資を受けるには条件があり、本人の居住もその条件の1つです。
本人が住まない物件に対して、住宅ローンを組むことはできませんし、住宅ローン返済中の物件を勝手に賃貸に出すこともできません。勝手に賃貸に出した場合は、住宅ローンの契約違反となり、金融機関から訴えられたり、残債の一括返済を求められたりする可能性があります。
住宅ローンでは本人の居住が必要な理由
本人が居住する物件の返済は滞りにくく、他のローンよりもリスクが低いため、住宅ローンは低金利で借りることができます。本人が住んでいなかったり、賃貸に出したりすると返済が滞るリスクも高くなるため、低金利の住宅ローンでの融資はできないのです。
また、住宅ローンは国民の基本的な生活に必要な住まいのローンなので、国も税制面での優遇を設けています。賃貸に出すということはビジネスになるので、税金面で優遇するわけにもいきません。
賃貸に出すときにすべきこと
住宅ローンは長期間にわたるローンなので、返済中に事情が変わって居住できなくなる可能性もあるはずです。居住できなくなった住宅を賃貸に出したいときには、何をしたらいいのでしょうか。
金融機関に相談
まずは、住宅ローンを融資してくれている金融機関に相談することが必要です。金融機関に黙っていればバレないという人もいるかもしれませんが、契約違反がバレたときのリスクを考えれば、しっかり相談しておくのがベストです。
居住できなくなった理由が、仕事の転勤や親の介護などのやむを得ぬ事情で、さらにいずれは戻ってくるようであれば、現在の住宅ローンをそのまま継続させてもらえることがあります。ただし、住宅ローンを継続できても、住宅ローン控除は控除期間中であっても適用できなくなります。
アパートローンに借り換える
やむを得ぬ事情であったとしても、すべての金融機関が住宅ローンの継続を認めてくれるわけではありません。住宅ローンが継続できず、一括返済も売却もできない場合には、アパートローンへの借り換えという方法があります。
アパートローンとは
アパートローンとは賃貸経営のためのローンで、不動産投資ローンとも言います。アパートという名称ですが、アパート以外のマンションや一戸建てでも利用が可能です。
アパートローンには次のような特徴があります。
金利が高い
アパートローンの金利は高く設定されています。入居者が見つからなかったり、退去したりして空室になると、家賃が入ってこずに返済が難しくなるためです。
アパートローンは住宅ローンよりもリスクが高いため、金利は高くなります。
物件の収益性が審査される
住宅ローンは債務者の収入から返済されるため、収入や年齢などの債務者の返済能力に重きを置いて審査が行われます。
それに対してアパートローンは、物件の賃料から返済することを想定したローンです。そのためアパートローンの審査では、債務者の返済能力だけでなく、物件の収益性が重視されます。
固定金利での繰上返済には違約金がかかるケースも
アパートローンの金利タイプは、住宅ローンと同じく変動金利タイプも固定金利タイプもあります。
住宅ローンだと変動金利でも固定金利でも、繰上返済で違約金がかかることはほとんどありません。アパートローンで固定金利の場合は、繰上返済に違約金や清算金がかかることがよくあります。
固定金利だと、金融機関は他の金融機関と金利スワップ取引をするのですが、その金利スワップ取引を解消するには違約金がかかるためです。アパートローンでも変動金利なら金利スワップ取引は必要ないので、違約金などはかかりません。
法人契約も可能
住宅ローンは個人が居住のために利用するローンなので、法人契約はできません。一方のアパートローンは賃貸経営という事業目的のため、個人だけでなく法人での契約も可能です。
アパートローンへ借り換えるデメリット
住宅ローンからアパートローンへ借り換えることによる、おもなデメリットには次のようなものがあります。
総返済額が増える
住宅ローンからアパートローンへ借り換えると、通常は金利が上がり、ローンの総返済額も増えてしまいます。返済期間や融資額によっても異なりますが、わずかな金利差でも数百万円の違いが出ることは珍しくありません。
諸費用がかかる
住宅ローンからアパートローンに借り換えるときにも、諸費用がかかります。融資金額に寄りますが、数十万円から100万円以上になることもあります。
手間や労力もかかる
たくさんの種類があるアパートローンの中からどれに申し込めばよいのか、調べるだけでもかなりの時間と手間がかかります。アパートローンを選んで借り換える手続きをするのには、様々な書類の提出が必要です。普段見慣れない書類を集め作成するのは、骨が折れます。
最適なアパートローンを簡単に選ぶ方法
自分にとって最適なアパートローンを選ぶのは、時間と手間がかかる大変な作業です。この作業を簡単にしたいのなら、プロの力を借りるのが一番です。
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