冬は暖房費がかさむため、年間を通して一番電気代が高くなる季節です。沖縄などの南の一部地域を除けば、寒い冬に暖房を付けないわけにはいきません。
暖房には様々な種類がありますが、電気代はどれが高いのでしょうか。
今回はエアコン・こたつ・ホットカーペットの電気代を調べて比較してみます。
電気代の計算方法
家電を使ったときのおおよその電気代は、自分で計算することができます。
WとかkWhなどの見慣れない単位が多くて難しそう感じるかもしれませんが、実は次の式に当てはめるだけです。
1kWhあたりの電気料金は電力料金プランによって異なりますが、今回は「公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会」が公表している電気料金の目安単価31円/ kWhで計算します。
自身でくわしく電気代を計算するときには、31円/ kWhを契約している電気料金の単価に置き換えて計算するといいでしょう。
エアコンの電気代
まずはエアコンの電気代を計算してみます。
当然機種によって電気代は違ってくるのですが、今回は三菱電機のMSZ-ZW4022Sで電気代を計算してみます。
MSZ-ZW4022Sの消費電力は次の通りです。
暖房最大3,500W 暖房最小70W
これを1日8時間(暖房最大2時間、暖房最小6時間)使った場合の電気代を計算してみましょう。
暖房最大 3,500W÷1,000×2時間×31円=217円
暖房最小 70W÷1,000×6時間×31円=13.02円
217円+13.02円=230.02円
1日の電気代は230.02円です。これを1ヶ月(30日)使うと、
230.02円×30日=6900.6円
MSZ-ZW4022Sの1ヶ月の電気代は、約6,900円です。
こたつの電気代
こたつは山善のGKR-1201Hで電気代を計算してみます。
こちらは商品スペックに次のように記載されていました。
※電気料金目安単価 27円/kWhを基に算出
電気料金の目安単価 が31円/ kWh ではなく、以前の27円/kWhになっているので、このまま計算すると比較ができません。(強)使用時と(弱)使用時の消費電力(W)は記載されていなかったのですが、この電気代目安から逆算可能です。
(強)約4.6円÷27円×1,000=約170.37W
(弱)約2.2円÷27円×1,000=約81.48W
中途半端な数字になりましたが、たぶん(強)使用時は170W、(弱)使用時は80Wだと思われます。これで1日8時間(強2時間、弱6時間)使った場合の電気代を計算してみましょう。
強 170W÷1,000×2時間×31円=10.54円
弱 80W÷1,000×6時間×31円=14.88円
10.54円+14.88円=25.42円
1日の電気代は25.42円です。これを1ヶ月(30日)使うと、
25.42円×30日=762.6円
山善のこたつGKR-1201Hの1ヶ月の電気代は、約760円です。
ホットカーペットの電気代
ホットカーペットは2畳タイプの山善SUB-201で、電気代を計算してみます。
SUB-201の消費電力量は次の通りです。
(中)230Wh、(強)330Wh
(弱)の消費電力が分からないため、(中)で1日8時間使ったときの電気代を計算します。
230W÷1,000×8時間×31円=57.04円
1日の電気代は57.04円です。これを1ヶ月(30日)使うと、
57.04円×30日=1711.2円
山善のこたつGKR-1201Hの1ヶ月の電気代は、約1,710円です。
エアコン・こたつ・ホットカーペットの電気代比較
エアコン、こたつ、ホットカーペットの電気代を計算したところ、次のような結果になりました。
1日の電気代 | 1ヶ月の電気代 | |
エアコン | 約230円 | 約6,900円 |
こたつ | 約25円 | 約760円 |
ホットカーペット | 約57円 | 約1,710円 |
電気代が一番高いのはエアコンで、ホットカーペット、こたつの順に続きます。エアコンの電気代はこたつの約9倍、ホットカーペットの約4倍です。
ただ、エアコンは部屋全体を暖めるのに対して、こたつやホットカーペットが暖めるのは部屋の一部分です。
電気代だけを見るのではなく、自分や家族の生活や住空間に合った暖房を選んでいくことが重要です。
冬の暖房の電気代を安くする方法
暖房費がかさんで高くなる冬の電気代を安くする方法を紹介します。
エアコンの設定を自動運転にする
暖房としてエアコンを使う場合、自動運転に設定するのがベストです。
室温に合わせて手動で調整した方が電気代を節約できそうな気がするかもしれませんが、逆に電気代がかさんでしまいます。
エアコンの自動運転は優秀ですので、信頼してお任せしましょう。
ちょっとした外出時はエアコンを切らない
暖房で一番電力を消費するのは、室温を上げるために出力を上げる立ち上がりのときです。エアコンを切ると室温が下がっていくため、再度エアコンをつけるとまた大量の電力を消費することになります。
30分程度のちょっとした外出なら、エアコンを消さずにつけっぱなしにしていた方が結果として安上がりです。
ただ、火を使うストーブなどは危険ですので、外出時に必ず消す必要があります。
電力会社を見直す
電気代の節約で最もおすすめの方法は、電力会社の見直しです。
2016年4月に小売電力も全面自由化されました。それ以来、多くの新電力が電力の小売事業に参入し、電気料金プランにも競争が起きています。
自分の生活スタイルに合う電気料金プランと契約することで、冬にかぎらず年間を通して電気代を安くすることが可能です。
新電力に切り替えても電気の質はこれまでと変わりませんし、新電力だけ停電することもありません。電気代がどれくらい安くできるのか、まずはチェックしてみるのがおすすめです。
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