一人暮らしの電気代の平均はいくら?一人暮らしでもできる3つの節約方法

一人暮らしで節約を検討するなら、電気代の見直しを欠かすことはできません。今の世の中は電気なしでは生活できず、一人暮らしであろうが、毎月必ず請求される出費だからです。

今回は一人暮らしの人が毎月どれくらいの電気代を払っているのかを調べ、電気代を減らすためにどんな節約をしたらよいのかを解説していきます。

一人暮らしの電気代の相場は平均でいくら?

自分とは関係ないとはいえ、他人の電気代がどれくらいなのかって気になりますよね。総務省が発表している家計調査年報(家計収支編)2020年によると、一人暮らし(単身世帯)の電気代の平均は年間で69,498円です。月平均だと5,800円弱。

その一人暮らしのうち、働いている人(勤労者)の電気代の平均は年間で60,656円、月平均だと5,000円ちょっとになります。

働いていない一人暮らしの電気代平均は載っていませんでしたが、電気代平均69,498円は働いている人も含めた平均なので、働いていない人だけの平均は月で6,000円は軽く超えると予想されます。働いている人は外に出ている時間が長い分、電気代も月平均で1,000円以上安くなっているようです。

みなさんの電気代は一人暮らしの平均に比べて高いですか、それとも安いですか?

電気代の節約は長続きする仕組みづくりが重要

電気代の節約と聞くと、電化製品のプラグをこまめにコンセントから抜く、照明やテレビをつけっぱなしにしない、といったことをイメージしませんか?

このような節電意識も大事なのですが、実は労力の割に電気代は減りません。電気代が大して減らないから、なかなか続けるのも難しくなってきます。

電気代は毎月かかりますので、長く継続できる節約をしていく必要があります。仕組みを変えることで、あとは勝手に節約になってくれるのが理想ですね。

一人暮らしの人におすすめの電気代を節約する3つの方法

一人暮らしの人でも簡単に取り組めて、電気代が継続的に節約となる3つの方法を紹介します。

契約アンペアを見直す

これは住んでいる地域にもよるのですが、主に東日本の一般的な電気料金は基本料金+電力量料金で決まります。このうちの電力量料金は電気の使用量に応じて金額が決まります。

もう一つの基本料金は契約アンペアによって決まります。一般家庭の契約アンペアは、10アンペア、15アンペア、20アンペア、30アンペア、40アンペア、50アンペア、60アンペアの7通り。契約アンペア数を下げるだけで、毎月の基本料金が安くなります。

契約アンペアによる料金の違い

東京電力エナジーパートナーのスタンダードSプランだと、毎月の基本料金は10アンペアにつき286円です。

  • 10アンペア・・・286円
  • 15アンペア・・・429円
  • 20アンペア・・・572円
  • 30アンペア・・・858円
  • 40アンペア・・・1,144円
  • 50アンペア・・・1,430円
  • 60アンペア・・・1,716円

契約アンペアを50アンペアから30アンペアに下げるだけで、基本料金が毎月572円、年間だと7千円弱安くなります。

賃貸住宅でも契約アンペアの変更は可能

賃貸住宅は物件によって使える最大電気量が決められていることがあります。契約アンペアを下げる分にはまず問題ないでしょうが、「電気料金を下げたいので契約アンペアを下げたい」と念のため大家さんに伝えておきましょう。契約アンペアを変更するのには費用もかからないので、断られることはまずないはずです。

1年間は変更ができない点には注意

契約アンペアは1年契約です。基本的には1年以内に再度契約アンペアを変更することはできません。エアコンを使う夏と冬は契約アンペアを上げて、春と秋には下げるなんてこともできません。

契約アンペアを下げすぎてブレーカーが頻繁に落ちてしまうようでは困るので、契約アンペアは慎重に選びましょう。

賃貸住宅の退去時に、大家さんから元の契約アンペアに戻すように言われる可能性もあります。1年以内に退去することが分かっている場合、契約アンペアの変更は見合わせた方が無難かもしれません。

契約アンペアの選び方の目安

電気料金の基本料金を安くしたいがために契約アンペアを下げても、アンペア容量を超えてブレーカーが頻繁に落ちるようでは困ってしまいます。

まずは自宅でよく使う消費電力の大きい電化製品のワット数(W)を確認しましょう。消費電力の多い家電は、電子レンジ、炊飯器、ドライヤー、掃除機、エアコン、アイロン、洗濯乾燥機などが挙げられます。

100ワット(W)で1アンペア、1キロワット(kW)で10アンペアです。電化製品のアンペア数が分かったら、同時にもっとも多く消費電力を使うケースを想定して、その電化製品のアンペア数を足していきましょう。

たとえば最も消費電力を使うのが調理時だとしたら、炊飯器、電子レンジ、エアコンを同時に使用することがあるかもしれません。この場合は炊飯器、電子レンジ、エアコンのアンペア数をすべて足します。この時の合計アンペア数が30アンペアだとしたら、30アンペアは最低限必要な契約アンペアです。

ただ、それ以外にも冷蔵庫や照明など、それほど消費電力が多くない電化製品も同時に使っていますので、先ほどの合計アンペア数プラスα(+5アンペア程度)の余裕をもったアンペアで契約すると安心です。

照明をLEDに交換する

電気代を節約するなら、電力消費量の多いものに対して対策するのが効果的です。

照明の消費電力はそれほど多くないものの使用時間が長いため、実は電気料金の中でも高いシェアを占めています。この照明をLEDに交換することで電気代の節約になります。

LEDの消費電力

白熱電球をLED電球に切り替えると消費電力はどれくらい少なくなるのでしょうか。

AmazonのLED電球の売れ筋ランキング1位はこの商品です。

このアイリスオーヤマのLED電球は白熱電球60W型と同レベルの明るさですが、消費電力は6.9Wです。白熱電球のわずか11.5%の消費電力で済んでしまいます。

LEDに切り替えたらどれくらいで元を取れるか

LED電球に切り替えた場合にどれくらいで元を取れるのか、東京電力エナジーパートナーのスタンダードSプランでシミュレーションしてみます。東京電力エナジーパートナーのスタンダードSプランの電力量料金は使用量に応じて単価が上がっていきますが、今回は一番安い1kWhあたり19.88円で計算します。

  • 60W型白熱電球の1時間の電気料金:0.06kW×1h×19.88円=1.1928円
  • LED電球の1時間の電気料金:0.0069kW×1h×19.88円=0.137172円

1時間当たりの差額は1.1928円-0.137172円=1.055628円。ざっくり言ってしまうと、電気料金はLED電球の方が白熱電球よりも1時間当たり1円安いということです。

先ほどのアイリスオーヤマのLED電球は2個入り1,381円(記事執筆時)、1個は約690円なので、690時間使うと元が取れます。1日2時間の使用だと345日(約1年弱)、1日5時間の使用だと138日(約4ヶ月半)で元が取れる計算です。しかもこのLED電球は40,000時間の長寿命で、さらに5年保証です。

LEDへの切り替えは意外と早く元が取れ、節約方法としても効果的!

電力会社を変更する

電力自由化となった現在、電力会社を自分で自由に選ぶことができます。

どの会社を選んでも電気の質に変わりはありませんが、電気料金はそれぞれ異なるので、自分に合った会社やプランを選ぶことで電気料金を大きく節約することができます。

電力会社の変更は簡単で効果の高い電気代節約方法

電力会社の変更は経験のない人にとってはハードルが高く感じるかもしれません。でも実際にやってみると、とても簡単に変更することができます。

新しく利用したい電力会社へ申し込むだけでOK、必要なものは検針票のみです。申し込みにはお客様番号や供給地点特定番号が必要ですが、どちらも検針票に載っています。

今は申し込みもすべてオンラインで行えるので、自分の好きな時間や空いた時間に行うことができます。旧電力会社への解約連絡や、立ち合いなども必要もありません。わたしも初めて電力会社を変更したときは、「えっ、これだけで終わり!?」と拍子抜けした記憶があります。

電力会社の変更は賃貸住宅でも可能

一人暮らしだと賃貸住宅に入居している人も多いかもしれません。電力会社の変更は賃貸住宅だと関係ないと思いがちですが、実は賃貸住宅でも問題なく行うことができます。電力会社の変更には大家さんの許可も要りません。

初めて新電力へ変更する時にはスマートメーターへの変更が必要なこともあります。その場合には工事がありますが、メーター自体は送配電事業者の所有物なのでやはり大家さんに許可をもらう必要はありません。そもそもスマートメーターの導入は国の政策で、2020年代のできるだけ早い時期にすべてのメーターがスマートメーターへ切り替えられる予定です。スマートメーターの設置工事も、一部の特殊な場合を除いて基本的には無料です。

賃貸住宅でも遠慮せず、電力会社を変更して電気料金を節約していこう!

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