自分の住んでいる自治体へふるさと納税することはできるの?

「自分の住んでいる自治体にふるさと納税で寄付をすることはできるのかな。」

ふるさと納税をしている人なら一度は疑問に思ったことがあるかもしれません。

この記事では、自分の住んでいる自治体へのふるさと納税についてくわしく解説していきます。

自分の住んでいる自治体へのふるさと納税は可能

自分の住んでいる自治体へのふるさと納税はできないと思っている人もいるかもしれませんが、実は可能です。ふるさと納税は、自分の住んでいる自治体も含めて日本全国の自治体に寄付することができます。

しかし、デメリットもあるのでしっかり確認しておきましょう。

自分の住んでいる自治体へふるさと納税をするデメリット

自分の住んでいる自治体に寄付しても返礼品はもらえない

ふるさと納税の魅力は何と言っても返礼品です。ふるさと納税をしているほとんどの人は、この返礼品が目的と言っても過言ではありません。

寄付先の自治体の返礼品は魅力的なものが揃っていますし、普段はなかなか目にしない特産品もあったりします。

しかし、自分の住んでいる自治体に寄付をしても、残念ながら原則として返礼品をもらうことはできません。

自分の住んでいる自治体に寄付して返礼品をもらうことは過疎地域と都市部との格差是正というふるさと納税の本来の目的から外れてしまいますし、単純に自治体の支出が増えるだけだからです。

自分の住んでいる自治体とは市区町村だけでなく、都道府県も含みます。

埼玉県さいたま市に住民票登録がある人は、さいたま市と埼玉県(県庁)に寄付をしても返礼品を受け取ることはできません。ただ、川口市や川越市のように他の市町村への寄付であれば、同じ埼玉県内であっても問題なく返礼品をもらうことが可能です。

ふるさと納税を返礼品のためだけに行っている人にとっては、自分の住んでいる自治体に寄付をすることは何のメリットもなく損なだけです。


自治体に入る税収は減る

自分の住んでいる自治体に寄付をすれば返礼品がないので、自分の住む自治体の税収は変わらないと思うかもしれません。

しかし、「楽天」や「さとふる」といったふるさと納税の仲介サイト経由で寄付をすると、自治体は仲介サイトへ手数料の支払いが必要です。仲介サイトの手数料は10%前後と言われていますので、自治体に入る税収は手数料の分だけ少なくなってしまいます。

2,000円は自己負担

ふるさと納税をすると税金が控除されますが、控除される額には上限があります。その控除範囲内の寄付であれば、自己負担は2,000円のみです。これは、自分の住んでいる自治体に寄付した場合でも同様です。

ふるさと納税を行うと2,000円の自己負担が発生するため、自分の住んでいる自治体にのみ寄付するのであれば、ふるさと納税ではなく普通に住民税を納めた方が安くすみます。

税金の控除を受けるためには手続きが必要

ふるさと納税で税金の控除を受けるには、確定申告またはワンストップ特例制度を利用して申請手続きをする必要があります。これは、自分の住んでいる自治体に寄付する場合でも同じです。

普通に住民税を支払うだけなら必要のない手続きをしないといけなくなるのもデメリットと言えます。

自分の住んでいる自治体へふるさと納税をするメリット

寄付金の使い道を指定できる

返礼品はもらえないし、自治体に入る税収も減るのであれば、自分の住んでいる自治体へのふるさと納税にいいことなんてない気がしますが、メリットもあります。

自治体によっては、ふるさと納税の寄付金の使い道を指定できるところもあります。ふるさと納税をせずに普通に住民税を納める場合、その使い道を指定することはできませんが、ふるさと納税ならそれができるのです。

寄付した税金の使い道は自治体によって異なりますが、子育て・教育・健康・医療福祉・自然保護・文化・芸術・スポーツ振興・国際交流・観光・産業振興などのように多岐にわたります。

自分の地域の特定の分野にもっとお金を使ってほしいという要望があるのなら、自分の住んでいる自治体にふるさと納税で寄付するのもアリかもしれません。

自分の住んでいる自治体へのふるさと納税はおすすめできない

自分の住んでいる自治体へのふるさと納税は制度上可能です。寄付金の使い道を指定できるという一応のメリットもあります。それでも、自分の住んでいる自治体へのふるさと納税はおすすめできません。

なぜなら、大したメリットではないことに加え、返礼品を受け取れないというデメリットがあるからです。

ふるさと納税をする人がここまで増えたのは、間違いなく返礼品があったからです。返礼品を受け取れないというデメリットは、ふるさと納税の魅力をほぼ失わせてしまいます。

自分の住んでいる自治体にふるさと納税をしている人なんて、返礼品がもらえると勘違いして申し込んだ人以外にいないのではないでしょうか。自分の住んでいる自治体に寄付するなら、魅力的な返礼品がもらえる他の自治体に寄付する方がよっぽどおすすめです。


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