住宅を売却しても住宅ローンを一括返済できないときの対処法

住宅ローンの返済中に住宅を売却する場合、通常は住宅の売却代金で住宅ローンを一括返済します。

ところが、もし売却代金が住宅ローンの残債を下回って一括返済できないときはどうすればよいのでしょか。

くわしく解説していきます。

住宅を売っても住宅ローンを一括返済できないことがある

住宅ローンが残っている住宅を売る場合、住宅を売ったお金で住宅ローンの残りを返済するのが理想です。

でも、オーバーローンだとそんなスムーズにはいきません。

オーバーローンとは、住宅ローンの残債が住宅の価値を上回る状態のことです。

たとえば、住宅ローンが2,400万円残っていて、住宅の価値が2,000万円にしかならないような状態です。

このケースだと、住宅ローンの一括返済をするには400万円が足りず、住宅を売却しても一括返済することができません。

オーバーローンになりやすいパターン

オーバーローンは、次のようなときに起こりやすいです。

購入物件に対する借入額の割合が高い

購入物件に対する借入額の割合が高いと、オーバーローンになる可能性は高くなります。

購入物件の価値が少し下がるだけで、住宅ローンの残債を下回ってしまうからです。

今は低金利なので、頭金を入れずにフルローンを組む人も増えていますが、オーバーローンになりやすいことは念頭に置いておく必要があります。

地価の下落

地価の下落も、オーバーローンになりやすい要因の1つです。

地価が下落し物件の価値が落ちることで、住宅ローンの残債を下回ることがあります。

住宅の損傷が激しい

基本的に、住宅の価値は年数とともに下落していきます。

メンテナンスを怠り、住宅の使い方が荒いと、住宅価値の下落スピードも速まります。

災害などで住宅が被害を受けることで、価値が下がることもあります。

住宅ローンを完済しないで住宅を売ることはできない理由

住宅ローンが残っている住宅を売る場合は、住宅ローンを完済することが原則です。

そもそも住宅ローンを残したまま住宅を売却することはできません。

住宅ローンを契約するとき、融資をする金融機関は物件を担保にします。

万が一、返済が滞ったときに物件を競売にかけて借入金の回収を行うためです。

これを抵当権といいます。

この抵当権があるため、住宅ローンを完済せずに該当物件を売却することはできないのです。

オーバーローンになってしまったときの対処法

それでは、オーバーローンになっているけど住宅を売却したいときは、どのようにしたらいいのでしょうか。

次のような対処法があります。

自己資金での返済

住宅の売却代金で住宅ローンを一括返済できなくても、自己資金を足して返済できるのであれば問題ありません。

金融機関からすれば、それが住宅の売却代金であろうが自己資金であろうが、全額返済してもらえるなら構わないのです。

住み替えローンを利用する

新居を住宅ローンで購入する場合は、住み替えローンの利用が可能です。

住み替えローンとは、現在の住宅ローンの残債と新たな住宅ローンをまとめたローンです。

住み替えローンであれば現在の住宅ローンは完済されるので、オーバーローンでも住宅の売却が可能です。

住み替えローンのデメリット

住み替えローンは、住宅の売却と新居の購入を同時に行う必要があります。

このタイミングがうまく合わないと、売却価格を大幅に値下げしたり、購入物件を妥協したりすることになってしまいます。

また、住み替えローンは借入額が新居の購入額を上回ることが多く、金融機関の審査が厳しくなるのもデメリットです。

もっと高く売る

住宅の売却価格は、業者によって異なります。

査定額に100万円以上の差がつくことは、決して珍しくありません。

オーバーローンで住宅を売却できないと思っていても、他の業者に査定してもらったらその売却額で住宅ローンを一括返済できる可能性もあります。

住宅をもっと高く売るためのコツも紹介します。

複数社に査定してもらう

住宅の査定を1社に絞ってしまうと、適正価格よりも安い査定額を出されたときに気付くことができません。

複数社に査定してもらえば、住宅の適正価格が分かりますし、より高い査定額を出してくれたところに依頼することも可能です。

ただ、相場よりも突出して高い査定額を出す業者には注意が必要です。

なかなか買い手がつかず結局はどんどん値下げをしていくハメになります。

売却するタイミングに気を付ける

住宅の価格も需要と供給によって変動していきます。

一般的に、住宅の需要は新生活が始まる前の時期に高まります。

具体的には、2~3月や9~10月です。

住宅の需要が高まる時期に売りに出すことで、売却価格は高くなる可能性があります。

内覧時の印象をよくする

売りに出している住宅に興味を持った人が内覧に来ることもあります。

内覧時の印象はかなり重要ですので、室内だけでなく敷地内をきれいに整えましょう。

特に水回りを気にする人は多いので、水回りの清掃は念入りに行うのが高く売るためのコツです。

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