住宅ローンを借り換えると違約金がかかるって本当?

住宅ローンの借り換えでは新たな住宅ローンを契約して、現在の住宅ローンを一括で返済します。

要は住宅ローンの乗り換えです。スマホや光回線の契約だと、他社に乗り換えると違約金が発生することがあります。

住宅ローンはどうなのでしょうか。住宅ローンを借り換えて他の銀行に乗り換えると、違約金はかかるのでしょうか。

この記事では、住宅ローンを借り換えると違約金がかかるのか、違約金がかかっても借り換えをするべきかについて解説していきます。

住宅ローンの借り換えで違約金がかかるケースもある

まず最初に結論から言うと、住宅ローンの借り換えで違約金が発生するケースはあります。

しかし、どれくらいの割合で違約金の設定があるものなのか、統計やデータ等を見つけることはできませんでした。一般的には住宅ローンの借り換えで違約金は発生しないけど、たまに違約金がかかることもあるぐらいの感覚で差し支えないと思われます。

ちなみに、アパートローンなどの不動産投資のためのローンだと、繰上返済に違約金がかかることが多いようです。

全額繰上返済で違約金が発生する理由

住宅ローンを借り換えて全額繰上返済をすると、どうして違約金が発生することがあるのでしょうか。

住宅ローンを貸し出している銀行からすると、全額繰上返済をされてしまうと元金は戻りますが、今後は利益となる利息を受け取ることができなくなります。銀行からすると本来予定していた利益を失ってしまうため、その穴埋めが必要です。違約金には、銀行の損失穴埋めの意味合いもあります。

違約金がかかるのは固定金利が多い

住宅ローンの借り換えで違約金が発生するのは、固定金利タイプに多いと言われています。

銀行もお金を無限に持っているわけではなく、他から借りたり預かったりして調達します。そして銀行も調達したお金の利子を払っているのですが、銀行が調達するお金は変動金利なので、固定金利の住宅ローンだと逆ザヤになるリスクを抱えています。

銀行は逆ザヤのリスク対策に、他の金融機関と金利スワップ契約というものを結んでいます。住宅ローンを全額繰上返済すると、金利スワップ契約を解消することが必要です。ところが、金利スワップ契約を解消すると、金利スワップ契約を結んでいる金融機関から違約金を請求されてしまいます。銀行は金利スワップ解約解消による違約金を住宅ローンの契約者に請求することになります。

一方で、変動金利の住宅ローンは、金利上昇分をそのまま住宅ローン金利に反映できるため、逆ザヤの心配は不要です。もちろん、金利スワップ契約も要らないので、違約金は発生しないことがほとんどです。

なお、フラット35は長期固定金利ですが、住宅金融支援機構が母体となっているため、借り換えて全額繰上返済をしても違約金はかかりません。

契約年数が短いと違約金かかるケースも

住宅ローンを借りてからの年数も違約金に関係することがあります。短期での借り換えに対しては違約金が発生するけれど、10年以上経っていれば違約金は不要というようなケースです。

銀行からすると、「ある程度の年数が経っていれば、それまでに受け取った利益もそれなりの金額になるから違約金はなくてもOK」ということなのでしょう。

違約金が発生するかどうかを確認する方法

住宅ローンの借り換えで違約金が発生するかどうかは、契約内容を確認する必要があります。住宅ローン締結時の書類を確認すれば分かるはずです。

ただ、住宅ローンの契約書類を探して細かいところまで確認するのは骨が折れるのであれば、銀行に電話して直接確認するのが一番確実です。運がよければ、違約金の問い合わせをきっかけに、金利引き下げ交渉ができる可能性もあります。

違約金はかからなくても全額繰上返済手数料がかかることは多い

借り換えで違約金がかかるケースは少なくても、全額繰上返済に手数料が必要なケースは結構あります。一部繰上返済は無料が多いのですが、全額繰上返済だと契約そのものを解消するための手続きも必要なため、有料が多くなっています。利益喪失分の穴埋めや、借り換え抑止といった目的も多少はあるのかもしれません。

全額繰上返済手数料の相場は数万円です。高いところでも5万円くらいで、10万円以上というのは聞いたことがありません。

また、同じ金融機関であっても、変動金利なら手数料無料、固定金利だと有料となっているケースも散見します。これは、先ほど書いた金利スワップ契約が影響しているはずです。

住宅ローンの借り換えは違約金がかかっても検討するべき!

借り換えで違約金が発生する場合は、借り換えをしない方がいいのでしょうか。

その答えはケースバイケースです。違約金を払ってでも借り換えのメリットの方が大きいなら借り換えるべきですし、メリットよりも違約金を払うデメリットの方が大きいなら借り換えない方がいいでしょう。

仮に、借り換えの違約金がローン残高の2%、残高が2,000万円だとしたら、発生する違約金は40万円です。40万円の違約金は大きいですが、住宅ローンの借り換えでは数百万円の節約ができることも珍しくありません。

違約金がかかるとしても、借り換えるメリットの方が大きいケースは決して少なくありません。違約金がかかるからと言って借り換えをあきらめる前に、まずはどれくらい返済額を削減できるのか借り換えシミュレーションをしてみる方がいいでしょう。

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