生命保険の受取人が死亡した場合は誰が保険金を受け取るの?

生命保険の契約者や被保険者が亡くなると、契約者変更や保険金請求の手続きは速やかに行われることが多いです。

しかし、保険金受取人が亡くなっても、受取人変更の手続きまで気が回らずに放置されてしまうケースが結構あります。

被保険者が亡くなったときに受取人が先に死亡していた場合、誰が保険金を受け取ることになるのでしょうか。

受取人死亡時の保険金について、くわしく解説していきます。

保険金受取人として指定できる人は配偶者と二親等以内の血族が原則

生命保険の保険金受取人は、誰でも指定できるわけではありません。

法律で決まっているわけではありませんが、ほとんどの保険会社は受取人として指定できる範囲を配偶者と二親等以内の血族にしています。

二親等以内の血族とは、両親、子ども、兄弟姉妹、孫、祖父母です。

一部例外として、内縁状態の配偶者や同性パートナーも保険金受取人として認められるケースはありますが、友人や知人などの第三者はよほどの理由がないと指定できません。

第三者を保険金受取人にさせないのは、保険金を目的とする事件や事故を抑制するためです。

生命保険の受取人が死亡していたら保険金は受取人の法定相続人が受け取る

死亡保険金は指定されている受取人が受け取りますが、受取人が死亡していた場合は受取人の法定相続人が保険金を受け取ることになります。

法定相続人とは

法定相続人とは、民法で定められている相続人のことです。

具体的には、亡くなった人の配偶者と血族です。

配偶者は常に相続人になりますが、亡くなった人の血族には相続順位が定められていて、第1順位が子ども(亡くなっていたら孫)、第2順位が親(亡くなっていたら祖父母)、第3順位が兄弟姉妹(亡くなっていたら甥や姪)と決められています。

亡くなった受取人に配偶者と子どもがいれば、配偶者と子どもが法定相続人となり、親や兄弟姉妹に受け取る権利はありません。

亡くなった受取人に配偶者も子供も親もいなければ、法定相続人は兄弟姉妹です。

保険金の相続は均等に分配

一般的な相続での法定相続分だと、配偶者が半分以上を受け取ります。

相続財産が1,800万円あり、配偶者と子ども2人の計3人が法定相続人の場合の法定相続分は、配偶者が半分の900万円、子どもが1人450万円ずつです。

しかし、保険金の相続だと立場に関係なく均等に分配するので、1,800万円を3等分し、配偶者も子供も1人600万円ずつを相続します。

生命保険の受取人が先に死亡していた場合はトラブルになる可能性がある

受取人が死亡していても保険金は法定相続人が受け取れますが、トラブルに発展する可能性もあります。

保険金をすぐに受け取れない場合がある

保険金請求の際には、法定相続人全員の印鑑証明書などを提出するのが一般的です。

法定相続人が多数いると書類を集めるのにも一苦労で、保険金請求手続きに時間がかかることがあります。

特に、法定相続人誰かが海外に住んでいたり、関係が悪くて疎遠になっていたりすると、スムーズに保険金を受け取るのは困難です。

望まない人が保険金を受け取ることも

亡くなった受取人に前妻(もしくは前夫)の子どもや隠し子がいた場合、彼らも法定相続人になります。

心情的に保険金を受け取ってほしくない人がいたとしても、どうしようもありません。

なお、被保険者が亡くなったあとに、受取人を変更することは不可能です。

相続税が加算されてしまう場合もある

法定相続人が配偶者と1親等以内の血族以外だと、相続税は2割加算されます。

2割加算とならないのは、配偶者、子ども、両親、養子(孫養子を除く)のみです。

受取人の法定相続人となると、被保険者から見て2親等や3親等、または血族関係ではない人となる可能性は高く、彼らの相続税は2割加算となってしまいます。

ちなみに、内縁状態の配偶者や同性パートナーを受取人として指定できた場合でも、彼らは法定相続人ではないため、法定相続人としての非課税枠(法定相続人の人数×500万円)は適用されませんし、相続税も2割加算の対象です。

保険金受取人が亡くなったら速やかに手続きを

予想外のトラブルを避けるためにも、保険金受取人が死亡したときには速やかに変更手続きをすることが重要です。

そもそも、亡くなったときに保険金を残したいと思っている人が受け取れないようでは、その生命保険に加入している意味がありません。

定期的に生命保険の契約内容を確認しましょう。

毎年送られてくる「ご契約内容のお知らせ」では、保険金額だけでなく受取人もしっかりチェックする癖を付けておきたいところです。

保険金受取人が亡くなった人のままとなっている保険契約は、加入したきりで特に見直しもしていないかもしれません。

今もその保障が本当に必要なのかどうか、保険のプロのアドバイスを受けながら考えてみるのもおすすめです。

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