自動車保険の値上げは、自動車を運転する人にとっては痛いニュースです。
今年2024年は多くの自動車保険が値上げされます。
この値上げにビッグモーターの不祥事は関係しているのでしょうか。
今回は2024年に自動車保険が値上げされる理由と、ビッグモーターの不正請求の影響について解説していきます。
2024年は自動車保険の大手3社が値上げ
日本で自動車保険を販売している損害保険会社は50社近くありますが、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、損保ジャパンが国内の大手4社です。
この損害保険大手4社のうち、東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険の3社が2024年1月から自動車保険の保険料を約2.5%~3%ほど値上げしています。
損保ジャパンも値上げをしたかったようですが、ビッグモーターとの深い関係があり、顧客の理解を得られないという判断で2024年1月の値上げは見送っています。
すでに契約している自動車保険の保険料はどうなる?
自動車保険の保険料の値上げは新規加入者だけでなく、既存の加入者にも影響を与えます。
契約中の自動車保険の保険料は1月から値上げされるわけではありませんが、満期を迎えると値上げされた保険料率で更新することになるからです。
自動車保険が値上げされる理由
自動車保険の値上げは2020年以来4年ぶりです。
なぜ今回は値上げされることになったのでしょうか。
値上げのおもな理由は次の2点です。
自動車事故の増加
2020年以降は新型コロナウイルスの影響で行動制限がありましたが、今では経済活動も回復しています。
それに伴って交通量が回復し、自動車事故も増えてきたのが1つ目の理由です。
自動車部品の価格上昇
資源価格の高騰と円安によって、様々な物の価格が上昇しています。
この物価高騰は、自動車の部品も例外ではありません。
自動車部品の価格が上昇しているため、保険会社が支払う保険金も増加しているのが、保険料値上げの2つ目の理由です。
自動車保険の値上げにビッグモーターの不正は影響がある?
昨年は毎日のようにワイドショーで取り上げられていたビッグモーターの不祥事も、自動車保険の値上げに影響を与えているのではないかと考える人も少なくありません。
しかし、2024年1月の値上げでは、ビッグモーターの不正請求の影響はほとんどないようです。
今回値上げに踏み切った損害保険会社では、ビッグモーターで事故車の修理を行ったすべてのケースで不正があったとみなして、その影響額を保険料の値上げ幅から差し引く対応を取っています。
そのため、ビッグモーターの不正と今回の自動車保険料の値上げは直接的な影響はありません。
ただ、自動車保険の保険料は、損害保険料率算出機構が出す「参考純率」を踏まえて計算されています。
この参考純率は過去の支払い情報などを元に計算されている数値です。
ビッグモーターの不正請求は昨年から始まったわけではなく、5年以上前から行われていたとも言われています。
ということは、これまでのビッグモーターの不正請求を含めた数値で参考純率が弾き出されていたということです。
つまり、現在の自動車保険の保険料水準はビッグモーターの不正請求の影響によって、すでに高くなっているのです。
ビッグモーターの不正請求のせいで余計な保険料を支払わされていたとは、非常に腹立たしいです。
ビッグモーター以外にも、水増し請求をしている修理工場はあると聞きますので、これを機会に業界の膿を出し切ってほしいものです。
自動車保険の保険料を安くする方法
自動車業界から不正をなくせば自動車保険の保険料も少しは下がるでしょうが、ビッグモーターを訴えたり、水増し請求をしている修理工場を探したりすることを個人で行うのは現実的ではありません。
わたしたち一般庶民ができる自動車保険の保険料を安くする方法を紹介していきます。
自動車保険の契約内容を見直す
現在加入している自動車保険の契約内容は把握していますか。
補償額をなんとなく決めていませんか。
当然のことながら補償が大きくなれば、保険料も上がります。
特に車両保険は保険料の高い補償です。
対人や対物は相手への補償(賠償)なので削らない方がいいのですが、車両保険は自分が受ける補償なので、必要に応じて外したり削ったりすることをおすすめします。
車両保険に加入するにしても、保険料を抑えたエコノミー型も検討するべきです。
運転者の範囲や年齢、車の使用目的や走行距離なども定期的に確認することで、必要な補償をカバーしムダな保険料を支払うことを避けられます。
自動車保険会社を見直す
自動車保険の見直しは契約内容だけでなく、保険会社そのものにも必要です。
自動車保険の保険料は損害保険会社ごとに定められています。
契約内容や補償金額が同じでも、損害保険会社によって保険料に差が出るのです。
一般的には、人を介して加入する代理店型よりも、インターネットや郵送で人を介さずに加入するダイレクト型の方が保険料は安く抑えられます。
複数の見積もりを比較することで、ムダなく納得した自動車保険に加入することが可能です。
コメント