住宅ローンの借り換えを検討していると、ネット銀行の住宅ローンがよく目につくのではないでしょうか。ほとんどの人にとって住宅ローンは人生最大のローンです。そんな大きなローンを、人に会わないでネット上で済ませてしまうネット銀行での契約に、不安を覚える人もいるかもしれません。
この記事ではまずネット銀行について説明し、そのネット銀行で住宅ローンを借り換えるメリットとデメリットと、ネット銀行での借り換えが向いている人を紹介していきます。
ネット銀行とはどんな銀行のこと？
ネット銀行とはインターネット専業銀行のことで、店舗を持たないでPCやスマホを使ったインターネット上での取引を中心としている銀行のことです。一部店舗があるネット銀行もありますが、あってもわずかです。
今はメガバンクや地銀でもインターネットバンキングでのオンライン取引ができますが、インターネット上でのサービスがメインではないため、通常これらの銀行のことをネット銀行とは言いません。
ネット銀行には冊子としての通帳はなく、取引履歴はインターネット上で閲覧することができます。店舗や自前のATMはあまりないところが多いので、入出金は他の提携銀行やコンビニATMで行うことができます。
日本国内のおもなネット銀行
| 銀行名 | 特徴 |
| 住信SBIネット銀行 | 預金残高はネット銀行首位 |
| 楽天銀行 | 口座数ネット銀行首位、旧イーバンク銀行 |
| PayPay銀行 | 前身のジャパンネット銀行は国内初のネット銀行 |
| ソニー銀行 | ソニーフィナンシャル・グループ |
| auじぶん銀行 | 旧じぶん銀行 |
| みんなの銀行 | 日本初のデジタルバンク、ふくおかフィナンシャルグループ |
ネット銀行で住宅ローンを借り換えるメリット
金利が低い
一般的に、ネット銀行は店舗を持つ従来型の銀行よりも、住宅ローン金利が低い傾向があります。ネット銀行は店舗を持つ必要がなく従業員も少なくていいので、固定費や人件費が従来型の銀行よりも安く済むからです。
メガバンクもがんばって住宅ローン金利を下げてはいますが、ネット銀行はさらに低金利です。たとえばauじぶん銀行の住宅ローンだと、変動金利で0.2％台のものまで販売されています。
手続きのために来店する必要がない
ネット銀行で住宅ローンを契約するときに、来店する必要がありません。銀行の営業時間に合わせて、わざわざ平日に仕事を休んで窓口まで行かなくてもいいのです。
来店する必要がないというより店舗がないので、インターネット上もしくは郵送でのやり取りが基本です。
各種手数料も安い
ネット銀行の住宅ローンには保証料無料のものが多くあります。一部繰り上げ返済手数料はもちろん、全額繰り上げ返済手数料や金利変更手数料が無料となっているネット銀行もあります。
手厚い団信がある
ネット銀行は団信の保障が手厚い点も人気です。
各種特約だけでなく、金利の上乗せがなしで初めからプラスアルファの保障が付いているケースもあります。住信SBIネット銀行の団信には全疾病保障が、ソニー銀行の団信にはがん50％保障が、auじぶん銀行の団信には全疾病保障とがん50％保障の両方が無料で付いてきます。
ネット銀行で住宅ローンを借り換えるデメリット
審査が厳しめ
ネット銀行の住宅ローン審査は厳しめだと言われています。
対面なら話し合っていくうちに顧客のいろいろな部分が見えてきますが、非対面のネット銀行では提出された情報でしか判断することができません。そのためリスク管理上、対面の銀行よりも審査のハードルを高くせざるを得ないのです。
気軽に相談することができない
ネット銀行だと店舗に行って気軽に相談することはできません。コールセンターでの対応はしてくれますが、顔が見えない状況での相談に不安を感じる人もいるでしょう。
戻し保証料がないことが多い
戻し保証料とは、保証料を一括払いした住宅ローンで繰り上げ返済をしたときに戻ってくる保証料のことです。
ネット銀行では保証料無料の住宅ローンが多いのですが、保証料が0円ですから繰り上げ返済をしても戻し保証料は発生しません。契約時に保証料が無料でも、事務手数料が同じくらいかかるケースもあるため、繰り上げ返済をしていくつもりの人にとってはデメリットです。
書類の不備が起こりやすく時間もかかる
対面での契約では、銀行員が契約書のどこに何を記入し、どこに実印を押せばいいのか丁寧に説明してくれます。それ以外の必要書類にも漏れがないかをチェックしてくれます。
一方、ネット銀行の契約は自分で説明を読みながらインターネットや郵送で行いますので、書類の記入漏れや必要書類の添付し忘れなどが発生しやすいです。
必要書類が揃わないと銀行の審査は行われませんので、不備の訂正や再送などに時間がかかることで、審査そのものがなかなか始められず、予定していたスケジュールがずれ込むケースもあります。
ネット銀行での借り換えが向いている人
ネット銀行での住宅ローン借り換えが向いているのは、次のような人たちです。
- 金利や各種手数料を抑えて安くしたい人
- 平日は忙しくて銀行に行くのが難しい人
- 団信の保障を手厚くしたい人
借り換えを検討している人は、総返済額を少しでも減らしたいと思っているはずなので、金利が低いネット銀行の住宅ローンはとてもおすすめです。デメリットが許容範囲なら、積極的にネット銀行での借り換えを検討してみましょう。
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